逃避 ページ11
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携帯のディスプレイに“悪魔”の文字が
浮かんだのは真夜中のことだった。
「…もしもし」
『やっぱりお前の番号で合ってたか』
彼に言われたとおり“明日の晩”にあたる
今夜に電話を掛けたのに彼は出なかった。
掛け直してくるかもと思い起きていたけど
耐えられなくて寝たらこれだ…
『寝てた？』
「当たり前でしょ…3時だし」
『あーそっか、普通の奴らは寝る時間か』
昼寝て夜行動すると言っていたけど
彼の中ではそれが普通になってるんだな
『お前の家どこ？』
「…まさか今から来るの？」
『家賃日割りしてくれるって言うから、
もう部屋引き払ったんだ』
「……」
『俺を野宿させる気？職質されたら
芋づる式でぜーんぶバレるかもよ？
もちろんAのことも、』
「分かったから」
電話越しで彼が笑うのが分かる。
なんだか機嫌がいい気がする…
住所を教えると電話を切った。
電気をつけて部屋を見渡す
散らかってはいない…けど
ここに彼がいるのが想像できない。
まず、あの悪魔は寝るのかすら不思議だ
あの研ぎ澄まされた感覚に蓋をして
無防備な寝顔を晒したりするのだろうか。
「あ…」
そういえば寝るところはどうしよう
ベッドはもちろん一つしかないし、
ダブルサイズでもない。
もうソファで寝てもらうしか…
そんなことをあれこれ考えていると
インターホンが鳴った。
モニターに映る彼の顔を確認して
オートロックを解除すると、
程なくして玄関のインターホンが鳴る
ドアを開けると目の前にカイはいな…
「バーン」
扉に隠れていたのか、突然出てきて
私のこめかみに銃を真似た手を当てる。
「今、覗き穴から確認しなかったろ」
「だってカイだって分かってた」
「それでも駄目。
これからはそれくらい注意して」
「…気をつける」
「ん」
彼はなぜか私の頭を一回ポンとすると
「お邪魔しまーす」
と部屋の中に入ってきた。
「なんだ、広いじゃん」
そう言って物色するカイは
やっぱり機嫌がいいように見える
いや、危険がある場所では怖いだけで、
普段の彼はこうなのかもしれない…
それはこれから知っていけばいいことか。
「あれ、荷物それだけ？」
彼が持っているのは
ボストンバッグひとつだけだ
「最低限のものしか要らない。
いざというときにすぐ痕跡を
消せないのは致命傷だから」
「ふうん…」
言い方からすると、彼は今までも
そうやってしのいできたんだと思う
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かのか(プロフ) - す、スンゴイ面白い！ (2015年7月29日 16時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 続きが気になります！ (2015年7月24日 21時) (レス) id: 3f43380847 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん - 読んでるこっちが震えるほど面白いです（笑）更新待ってます！ (2015年7月21日 0時) (レス) id: 724eac6f67 (このIDを非表示/違反報告)
Tm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます〜！最高です(ToT)/~~~ (2015年7月18日 16時) (レス) id: 3097d1d4b4 (このIDを非表示/違反報告)
りゅっちょん(プロフ) - すっ、凄すぎる★めちゃｺﾜｲ★でもハマります!!すごく好きです! (2015年7月18日 15時) (携帯から) (レス) id: 75eedf787c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺっぱー
| 作成日時：2015年6月7日 1時
