退屈 ページ1
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なんてちっぽけでつまらない
消化するだけの退屈な日々なんだろう
あの日まではそう思っていた。
鳴り響く音楽、怪しい色の照明、
何が楽しいんだというくらい踊り狂う人々
「……」
金曜の夜、そんなにぎやかなクラブで
私はひとり壁際に突っ立っていた。
きっと寂しい奴だと思われている。
けどこれにも理由があるんだから…
踊っている人たちをひとりひとり見る
派手で露出の多いドレスを着た女の子、
DJとかやってそうな服装の男の子、
どことなくリズムについていけてない人、
近くの椅子に座って煙草をふかしている人…
本当に人間って見てて飽きない。
そうやって想像を膨らましながら
壁の花になってボーッとしていると、
騒がしいフロアが何やら更に騒がしくなった
「え、うそ！今日はここだったの？」
「すげえラッキー！」
皆踊ることをやめて、
何かを見ようと人だかりをつくっている。
さすがに気になって人だかりの
後ろから覗き込んでみるけど見えない
「あの、すみません。
皆何を見てるんですか？」
隣で一生懸命背伸びをしている女の子に
話しかけると少しうざったそうに見られた
「カイよ、カイが来てるのよ」
知らない名前だ
芸能人か何だろうか
「カイ？」
「え、お姉さんカイも知らないの？！
カイは今ここへんでは有名なダンサー。
金曜の夜になるとどこかのクラブに現れるの」
「へえ…」
「こっからじゃ見えないな〜
…ほら、前行くよお姉さん！」
女の子はそう言うと私の手を引いて
人をぐいぐいかき分けて前に出る
当然近くの人に嫌な目で見られながら。
「ちょっと、文句言われてるけど」
「いいのいいの、
皆そうやって前来てんだから」
まだ二十歳くらいに見えるその子は
さらっとそう言ってのけた。
「ほら、見て！あれがカイ」
踏まれて痛い足から視線を上げると、
そこには悪魔みたいな人がいた。
その人は取り憑かれたように、
狂ったように踊っていた。
全身真っ黒の服を身に纏って
黒いキャップを深くかぶっていて、
だけど圧倒的な存在感がある
「…顔、見えないね」
「うん。いつも帽子深くかぶってるし
終わったら誰とも喋らずすぐ帰っちゃうから
目も見たことない。とにかく謎なのよ、
カイって名前も本名じゃないみたいたし」
「なるほどね…」
たしかに目も影になってほぼ見えない
見えるのは鼻と、
…今不敵な笑みを浮かべた口。
片口を持ち上げるような、
左右非対称な笑みだった
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かのか(プロフ) - す、スンゴイ面白い！ (2015年7月29日 16時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 続きが気になります！ (2015年7月24日 21時) (レス) id: 3f43380847 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん - 読んでるこっちが震えるほど面白いです（笑）更新待ってます！ (2015年7月21日 0時) (レス) id: 724eac6f67 (このIDを非表示/違反報告)
Tm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます〜！最高です(ToT)/~~~ (2015年7月18日 16時) (レス) id: 3097d1d4b4 (このIDを非表示/違反報告)
りゅっちょん(プロフ) - すっ、凄すぎる★めちゃｺﾜｲ★でもハマります!!すごく好きです! (2015年7月18日 15時) (携帯から) (レス) id: 75eedf787c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺっぱー
| 作成日時：2015年6月7日 1時
