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-Zoro SIDE-
ガシャーン
という音で目が覚めた。
誰だよ、俺の昼寝妨害しやがって…。
何かが落ちて割れたような音はどうせあのダーツコックかチョッパーが何かを落としたのだろうと決め込んで再び寝ようと目を閉じた。
まだ日も高い。
天気のいい今日のような日は寝るに限るだろう。
否、次の瞬間聞こえてきたことでそれも叶いはしなかったが。
「Aー!ごめん!大丈夫か!?」
外にも響く高い、大声は当たり前のように、寝ようとしている俺の耳にも聞こえた。
声の持ち主はチョッパー。
それはどうでもいいんだ。
アイツの名前が聞こえてきたからには何かあるだろうと体を起こした。
まだ寝ぼけ気味の頭を掻きながら立ち上がり声の発生源にまで歩を進める。
「ふあぁ…」
眠ぃ。
声と音は医務室から聞こえてきた。
「何あったんだよ…」
まだ覚醒しない目を擦り医務室の扉を開けて中を見ると涙目で慌てるチョッパーと腕から血を流すアイツ。
その血を見て一気に目が冴えた。
大股でアイツに近寄り血が流れる腕を持ち上げる。
「おまっ、これどうした!?」
「あ、ゾロさんおはよう」
「ゾロー!俺っAに怪我させちまった…!」
床にはガラスが割れたような跡。
チョッパーが説明するにはチョッパーがガラス製品を落として運悪く飛び散った破片がAの腕に刺さって流血騒ぎになったらしい。
「ごめんなぁ…A…」
「これくらい大丈夫。全然気にしないで」
怪我した本人が一番冷静なのが違和感だらけだ。
「ゾロさんもしかして私の心配してきてくれた?」
「ちげぇよ」
実際そうでも肯定するわけねぇだろ。
チョッパーは未だにえぐえぐと大きな目から涙をこぼしている。
「うぅっ…今手当するから…ごめんなぁ…」
「あ、大丈夫。手当てするほどの怪我じゃないよ」
救急箱を用意するチョッパーにそう言い放ったAはあろうことか踵を返して医務室から出ようとしていた。
「おい、手当くらいしてもらえ」
「ゾロさんも大げさだよ、ちょっと血が出ただけだし。大丈夫大丈夫」
足止めの意を込めてアイツの腕を掴むがうまくスルリと抜け出してアイツは医務室から出て行ってしまった。
「A…いつも手当受けてくれない…何かあったらどうするんだよ!」
「はぁ…」
全く怪我をしたのはどっちだか。
泣くチョッパーから救急箱を受け取り俺はあいつの後を追った。
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三枝(プロフ) - 「かわサンジ」から来ました!「かわサンジ」も「大丈夫」も面白くて、2作品を一気見してしまいました!更新楽しみにしています!! (2021年3月27日 17時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - 名無し99169号さん» ありがとうございます…!自分のペースの更新になってしまいますがどうぞよろしくお願いします (2020年1月23日 17時) (レス) id: e9f9a3443e (このIDを非表示/違反報告)
名無し99169号(プロフ) - 作品最高なので更新楽しみしてます!頑張ってください! (2020年1月23日 0時) (レス) id: bde8d8e885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:望 | 作成日時:2020年1月15日 15時