ﾟ.+°30ﾟ+.ﾟ ページ30
-Sanji SIDE-
重い空気のキッチンには船員がAちゃんとチョッパーを除いて全員集まっていた。
あのルフィさえも真剣な面持ちで医務室の方向を眺めている。
今日の戦闘でAちゃんが大けがをした。
見ただけでも危ないのは分かったけどチョッパーに意識の失ったAちゃんを見せると泣きながら、すぐに手術だと言い出した。
それから早4時間。
チョッパーはまだこっちに顔を見せてはいない。
俺がもっと早くAちゃんのもとへ向かっていたら。
俺がもっと早くチョッパーのもとへ連れて行ってたら。
そんなたらればがこの4時間ずっと俺の脳内を占めていた。
幼い子供のように泣きじゃくるAちゃんも、血に染まるAちゃんももう見たくねぇよ。
ガチャリ
そんな音を立ててキッチンへ足を踏み入れたのは疲弊した顔のチョッパーだった。
「チョッパー、Aは」
「とりあえず今は眠ってるよ。さっきまで一時的だけど高熱が出たりして大変だったんだ」
皆唇を噛みしめる。
Aちゃんに傷ついてほしくなかったのは皆同じなんだ。
「後遺症とかは？」
「多分無いと思う、けど死にかけてたから回復には時間がかかるかもしれないんだ…」
しょんぼりしながらも結果を教えてくれるチョッパーはやっぱりこの船の船医だ。
「サンジ！Aが目を覚ました時のために何かひんやりとして、おなかにたまるものを作ってやってほしいんだ」
「冷たいものでいいのか？」
「うん、熱があるし今は暑いしな」
俺はすぐに席を立ち、ものを作り始めた。
「Aちゃん、失礼するよ」
水と食事が置かれたお盆を片手に持ち、医務室へ入る。
医務室特有の薬品の香りに加え、少しだけだが血の香りが混ざっている。
医務室のベッドに目を向けると今はそこそこ穏やかな顔をして眠るAちゃんがいた。
その体はどこも包帯だらけで痛々しい。
枕元にお盆を置き、俺はベッド近くの椅子を引き寄せ座った。
「ごめんね…」
聞こえないだろう謝罪をこぼすと彼女の眉間に皺が寄った。…気がした。
魔が差して指の腹で顔を撫でるとくすぐったそうにする。
寝ていたらこんなにも簡単に触れられるのに。
お姫様抱っこするのだって急いでたとはいえ凄く緊張したのに。
Aちゃんが生きることを諦めたなら、それを叱ってくれる人がこの船にはたくさんいることを忘れないで。
「早く元気になってね、俺のお姫様」
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のーた - 本当に最高でした……！！！サンジ君の不器用さだとかかっこ悪さまで含めて最高だと思わせてもらえる作品でした本当にたくさんキュンキュンさせてもらいましたありがとうございます！これからも応援しています！ (2020年4月4日 1時) (
レス) id: 4eebcdc34f (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！Twitterもフォローして下さってますよね？応援、とても励みになりました！不定期更新になったりもしますがこれからも応援よろしくお願いします (2020年1月15日 17時) (レス) id: e9f9a3443e (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れさまでした！最後のサンジくん、めっちゃかっこよくてキュンキュンしました！とても素敵な作品をありがとうございました！新作も読ませていただこうと思っているので無理せず頑張ってほしいです！！ (2020年1月15日 17時) (レス) id: ed90e02b61 (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - __ne_mU_さん» 返信遅れてしまって申し訳ございません！近々大幅更新をする予定なのでこんな作品ですがどうかこれからも応援よろしくお願いします (2019年12月7日 21時) (レス) id: f056f480ed (このIDを非表示/違反報告)
__ne_mU_(プロフ) - ほんとにほんとに素敵..これからも楽しみにしています (2019年11月4日 14時) (レス) id: 74b9a8fac4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：望 | 作成日時：2019年9月11日 18時
