62頁 ページ17
月日が過ぎるのは
思ったよりずっとあっという間だった。
センター試験が終わって、
高校の登校期間が終わって……
気づけば、国公立の2次試験が2日後に迫っていた。
「なぁ、ちょっとだけ俺の話してもええ?」
20時半を回った頃、
廉が改まった口調で話し掛けてきた。
「うん……なに?」
「俺、大阪の高校入ってすぐに色々あって
行かれんくなって。
結局、辞めなあかんことになって……
まあ、辞めない選択肢もあったんかもしれんけど。
……せやから、先生とか友だちとかも
仲良うなる前に別れることになって」
「うん……」
「やから、A先生と出会えてほんまに良かった。
2年半、一緒に勉強出来てほんまに嬉しかった。
先生も、友だちもおらんくても
毎日A先生に会えて、ほんまに……」
気づけば廉の瞳は潤んでいてびっくりする。
先生も友だちもいなくても、
彼女はいたんじゃん、と思うのに
廉の泣きそうな顔を見ると
そんなのどうでもよくなって、
やっぱり私は廉が好きなんだと思った。
529人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しぃたん(プロフ) - こんばんは。読ませて頂きました。まさかの最後結末だったので心臓鷲掴みからの号泣でした。。凄く儚く綺麗な素晴らしい作品でした。有難うございました。 (2021年3月30日 0時) (レス) id: 46bf8c1460 (このIDを非表示/違反報告)
夜木(プロフ) - ほのぼのさんさん» はじめまして。ほのぼのさん、コメントありがとうございます!完結から1年以上たっている作品なので見つけて頂いて嬉しいです!単語帳に萌えを感じて作ったので感動して頂けて本望です! (2020年9月2日 15時) (レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
ほのぼのさん(プロフ) - はじめまして。すごく奥深くて素敵な作品です。涙が止まりません。1つ1つの単語に積み重ねた時間や様々な想いが込められていてすごく胸がギュッとなりました。素晴らしい作品に出会えて本当に幸せです! (2020年9月1日 22時) (レス) id: b40a6701ed (このIDを非表示/違反報告)
夜木(プロフ) - しおりさん» 大好きだなんて、めちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます。これからもしおりさんに泣いていただけるように頑張ります!笑 (2020年3月11日 9時) (レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 主様!!!どんだけ私を泣かせたら気が済むんですか!(とんだ勘違い)主様のストーリーを読むと必ず涙を流してしまいます。主様の描かれるストーリーが大好きです。 (2020年3月10日 23時) (レス) id: b54a6cc2bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜木 | 作成日時:2019年3月2日 15時