俺にはそもそも
いわゆる人の感情というものが欠けていた
それでも経験から得た知識として
喜び、怒り、哀しみ、楽しさ
なんていう単純な感情くらいは
ある程度理解していたけれど
恋とか愛とか、憎しみとか
そんな目に見えなくて不確かなもののために
時間や労力を費やす人の気は知れなかったし
ときには命まで投げ出してしまうのは
馬鹿らしいとさえ感じた
ねえ、君は俺のどこを愛しているの？
俺は君のことなんてひとつの駒としか
思っていないのに
え……言葉では言えないって？
じゃあ、さ？
目に見えなくて、
言葉で表すこともできないのに
何で俺のことを愛してるなんて言えるわけ？
君にだって本当は分からないんだろ？
恋なんてもの
本当はどこにも存在しないものを
さも自分には見えているかのような
ふりをしているだけで。
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King & Princeの深紅×漆黒
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作者名：yagi x他2人 | 作成日時：2020年7月29日 19時
