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「ふふふ、皆さーん。この子はご存知の通り、有能な子。戦闘技術もあれば、ある程度の頭脳もある。だから僕の仲間に戻らない?って聞いたの」
「…仲間?ふざけてるのか?」
「ううん、ふざけてないよ二階堂くん。至って真面目、大真面目。そしてこの子はもっと大真面目。北山くんを逃す代わりに、仲間になるっていう条件を飲もうとした」
「A!何してんだよ!」
『……』
「この子は頭がいい。そして僕に対する恐怖心は小さい頃から植え付けられている。勝てないと踏んだQueenは自分が犠牲になることを選ぼうとした」
「Aちゃん…どうして?こいつはそんな約束破ることも残酷なことも知ってるのに…どうして?」
「心外だよ宮田くん。まあQueenもそう思ってただろうけど。それでも北山くんを君たちの元に逃がしてあげたかったんだろうね」
宮田を始め、皆は酷く顔を歪めた。
もう辞めて…彼らがそんなことを許してくれないなんて、私が1番知っている。一緒に逃げよう、無理なら一緒に倒そうって言うんだよ彼らは。馬鹿だから。冷静に考えたって同じことを言うんだよ。
…だから彼らを騙すしかないのに。
『…皆は勝てないよ。だってこの中で1番強いの…私だよ?そんな私がもう動けない。戦闘要員の北山も捕まってる。…だから私以外で逃げてよ。………お願いだから死ぬなんてことしないでよ……』
もう懇願して、逃げてくれって泣きつくしかない。
ボロボロ涙が溢れる。
「A…」
『…思ったより体が動かなくてね。皆を助ける為にKINGを殺すどころか、北山を守ることすら出来なかったの。…皆の護衛は失格でしょ?』
うっ…としゃくり上げる。言葉が詰まる。
『…お願いだから逃げてよ……今のKINGの部下なら皆のこと殺せる力は持ってないから。KINGは私がこれからずっと見張ってるよ?だから幸せに…どこか遠くで生きてお願い』
「あはは、本人の目の前で言うかなそれ。でもね、Queenは理解してる。分かってるんだよ自分の立場とやらなければいけないことが。君たちも素直に逃げなよ、ね?」
ふははって不気味に笑う。悔しい。
でも私が毎日気を張って見てれば彼らを守れる。…もうそれしかない。全員が生きる方法は。
『…玉森分かってるでしょ。貴方なら』
「分かってるよ。勝ち目ないよね。元々Aが居ても負け戦だったもんね」
『そうだよ、だから、』
「だから何。」
『…へ?』
玉森ははあっとため息をつく。
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yuzu_(プロフ) - 完結間近なんですね!楽しみにしてます! (2022年2月16日 8時) (レス) id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ(プロフ) - yuzu_さん» yuzu様、毎度コメントありがとうございます!長い間お待たせしてしまいました。本当に申し訳なかったです( ; ; )完結間近ですが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです! (2022年2月16日 1時) (レス) id: 18aa49fd4f (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - お忙しい中ありがとうございます。ずっと待ってました泣また楽しみによみます! (2022年2月15日 0時) (レス) @page42 id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ(プロフ) - ほおうさぎさん» ほおうさぎ様、コメントありがとうございます!お返事遅くなりました。ごめんなさい。ジャニーズでこのようなお話ってあまり見かけないので勇気いりましたが、読んでくださる方が多く安心しています(笑)もう少しお休み頂きますが、これからも宜しくお願いします!♡ (2021年12月16日 17時) (レス) id: 18aa49fd4f (このIDを非表示/違反報告)
ほおうさぎ - はじめまして!キスマイのこういうお話好きなので楽しみにしています!主様のペースで大丈夫ですからね。ゆっくりお休みください!! (2021年12月12日 23時) (レス) @page42 id: 86f6a5fb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナナシ | 作成日時:2021年11月25日 16時