joKer 2

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「こいつの仲間に射殺されたんだよ。まあそう仕向けたのはボスだけど」
『…は？』
「エースは俺らのこと捨てたくせに子供何人か拾って、森奥で暮らしてたんだよ。でもエースはボスに捕まった」

ジャックの声が低くなる。

「面白いからあいつらに選ばせたんだって。全員で爆死か、エースだけ射殺か」
『…そんなことって、』
「で、こいつの仲間はエースを射殺した。結局どいつも、自分の命が欲しいってわけ」
『…違う！違う！！違う！！！』
「違う？何が違うんだよ。俺だって、ボスに殺されたくないから可愛い可愛い妹のようなお前を殺すつもりだし。結局自分が可愛いだよ」
『違う！！あいつらをお前なんかと一緒にするな！！！』


苦しい。まさかエースと愛さんが同一人物だったなんて。でも藤ヶ谷は、間違った選択なんてしてない。


「…手紙の内容、教えてあげる。一匹狼のお前が辛くなる前に逃げたほう良い。そいつらと居ると、お前もボスに殺される。エースもそいつらのせいで死んだ、ってね。まあ玉森…だっけ？そいつが見せなかったのは、お前が混乱して出て行くのが嫌だったんだろうな」
『……』
「俺はお前を助けようとしたよ。でもエースと同じ道辿りやがって」
『…お前は何も知らない。助けようとした？嘘つくな。ボスに言われた通りに動いただけだろ？』
「あれ、バレちった？まあそんなことはいいんだよ、どーでも。それよりさ、やっぱり戻ってこいよ。A、だっけ？変な名前で呼ばれやがって。Queenとしてこっちで生きようぜ」


な？と言いながら、ジャックは北山の頭をガシガシ撫でる。今にも壊れそうなベッドはキシキシ揺れる。


『…戻らないね』
「そりゃあ残念。じゃあ死なない程度に死ね」
『こっちのセリフよ』


ジャックは頭は良くないけど、戦闘要員として育てられたから、気を抜けば一瞬で終わる。でも場数は私の方が上だ。


ジャックは大きい鎌を武器として使う。一振りすればある程度の物は切れるし、リーチも長い。銃で戦うしかない。

ジャックは鎌をブンブン振る。私の部屋はもうめちゃくちゃ。


「ほらどーした。逃げてばかりで。小さい部屋で人質が居る状態。Queenに勝ち目あるかな？」

ふははって笑うジャック。また一振り。


「あーら、残念。もうお終い？」
『…っぐ、』
「端に追いやられちゃって。Queenの名も剥奪だね」


あ、どうせ死ぬし関係ないかってまた笑う。

まずい。疲労と脇腹の傷のせいで思ったより動けなかった。



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