52 ページ3
.
「着いた〜」
「長かった…」
「今日は早く寝て、明日以降北山のことも含めて考えていこう」
『そうだね』
家に着き、地下車庫に千賀は車を停めた。
まだ藤ヶ谷達は帰ってきてないらしい。
「ワッター、今日の夜ご飯どうするの?」
「作らなきゃダメ?」
「横尾さん俺も手伝うから少し作って〜」
「嘘つけ」
『私も手伝うよ』
「…作るかあ」
「Aも手伝っ…」
「ニカ?千賀?どうした?」
横尾ってなんだかんだ優しいよね、なんて思いながら二階堂と千賀の後ろを歩いていたら、2人が急に止まった。
私達の良かった空気はこれを機に、全て無くなった。
「変なところで止まるなよ」
横尾が2人に言う。
「……だって、これ」
「…………悪夢、」
二階堂と千賀の声は震えている。
私達はまだ明日に僅かな希望を持って、頑張ろうとしていた。でも私たちの敵はそんなに甘くないのかもしれない。
2人を退けて部屋を覗けば、私たちのリビングは見るに耐えない姿に変わっていた。
横尾がいつも立っているキッチン、玉森が座るロッキングチェア、宮田がアニメを見るテレビ、藤ヶ谷が本を読む窓際、千賀がヘアセットする化粧台、北山が昼寝をするソファ、二階堂が酒を嗜むカウンター。
全てが面影なく、壊されていた。
「…あのときとおなじ、」
「…どうして?」
二階堂と千賀の怯える声は、あの事件を思い出しているのだとすぐ分かった。横尾も部屋を覗けば絶句。
「…おかしい、この場所がバレるなんて」
『それに宮田のセキュリティーは?起動しなかったの?』
「有り得ない…侵入者が分かり次第宮田に連絡がいくはずなのに、」
『ここまで荒らされてたら数分の犯行ではないだろうし…』
全員で動いたことが、ここまで最悪な事態になるなんて。
「ねえ、これ…」
「千賀触るな!」
先に入った2人の後を追えば、真ん中にポツンと置いてある椅子。そして上には木箱。
「ニカ、これって…」
「爆弾だ…愛を殺した奴らの、仕業だ」
ヒヤリとする。
「千賀、俺の部屋から一式持ってきて」
「…分かった」
「…ニカ、大丈夫なんだよな?」
「大丈夫。俺に任せて」
横尾は不安そうに聞いたけど、二階堂は頼もしい返事をした。
.
88人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuzu_(プロフ) - 完結間近なんですね!楽しみにしてます! (2022年2月16日 8時) (レス) id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ(プロフ) - yuzu_さん» yuzu様、毎度コメントありがとうございます!長い間お待たせしてしまいました。本当に申し訳なかったです( ; ; )完結間近ですが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです! (2022年2月16日 1時) (レス) id: 18aa49fd4f (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - お忙しい中ありがとうございます。ずっと待ってました泣また楽しみによみます! (2022年2月15日 0時) (レス) @page42 id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ(プロフ) - ほおうさぎさん» ほおうさぎ様、コメントありがとうございます!お返事遅くなりました。ごめんなさい。ジャニーズでこのようなお話ってあまり見かけないので勇気いりましたが、読んでくださる方が多く安心しています(笑)もう少しお休み頂きますが、これからも宜しくお願いします!♡ (2021年12月16日 17時) (レス) id: 18aa49fd4f (このIDを非表示/違反報告)
ほおうさぎ - はじめまして!キスマイのこういうお話好きなので楽しみにしています!主様のペースで大丈夫ですからね。ゆっくりお休みください!! (2021年12月12日 23時) (レス) @page42 id: 86f6a5fb9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ナナシ | 作成日時:2021年11月25日 16時