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「……じゃあ俺も嘘つかないで言うね。GPS、Aちゃんにだけ付けてた。騙してごめんね」


やっぱり私だけに付けてたんだ。そんな私の顔を見て、騙されてなかったかって苦笑いする玉森。


『……』
「……」
『……』
「何で私にだけ?って聞かないの?」
『…いやだって、疑ってたからじゃないの?』
「…………違うよ、Aちゃん」


玉森は私の方に少し向きを変えた。顔を上げると玉森と目が合う。


「…Aちゃんが心配なんだよ。それに俺らのこと守ってくれてるAちゃんを俺らも守りたい。ただね、位置把握して安全な道に誘導するくらいしか今のところ守る方法なくてさ…Aちゃん強いんだもん」

ふふって笑う。


『…だからあの時、玉森も北山も西から行けって言ったの?』
「…そうだよ?なのにAちゃんは、インカムを投げ捨てるわ、東から行くわ、血塗れで見つかるわ……何も守れなかった」
『…ごめんなさい』
「ううん……俺らの力不足だよ。余計に不安にさせたよね。こちらこそ、ごめん。…本当にごめん」


玉森は深く頭を下げた。口に出すことで状況がここまで変わった。思ったことは言ってみた方がいい。話すことは大事なんだ。


『…これからも、私の位置把握してて』
「…え?」
『ふふっ、私居なくなっちゃうかもしれないよ?』
「じゃあインカムだと不安だから体に埋め込んでいい?」
『それは嫌!怖いこと言わないで!』
「痛くないよ?」
『嫌よ!!』

首にちくっとするだけだよ〜なんて玉森が笑うから、私も笑う。


「んふふ。でもねAちゃん。万能暗殺者だろうが、俺らは無理して欲しくない。さっきも話したけど辛いときはちゃんと言ってね」
『うん。ありがとう』
「よーしよしよし。Aちゃんは笑うと可愛いから笑っててね」


私の頭を撫で回す玉森。わしゃわしゃされて髪の毛はぐちゃぐちゃだけど心地いい。玉森の顔が見えない。


「Aちゃん、眠そうだね」
『ぐっすり寝れなかったから…』
「何かあったの?」
『…人を殺した後は、怖い夢を見るの』


玉森は私の髪の毛を整え始めた。眠気が襲う。


「…怖い夢」
『………追いかけられるの…殺した人たちに、』
「…そっか。夜まで時間あるし、今寝ちゃいなよ」
『…ん』


玉森は私の頭を脚に倒した。おやすみ、と上から聞こえる声に、意識が遠のく。……人の前で私って眠れるんだ。




何故か涙目の玉森が視界に入る。
でも睡魔に耐えられず、目を閉じた。




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ナナシ(プロフ) - ななさん» やばかったですか!笑 ありがとうございます!テスト頑張って下さい! (2021年11月26日 0時) (レス) id: 18aa49fd4f (このIDを非表示/違反報告)
なな - やばかった!テストが明日で終わるので、これを読むため頑張ります笑 (2021年11月25日 18時) (レス) @page50 id: 098f1a119e (このIDを非表示/違反報告)
なな - はい!楽しみにしています!!! (2021年11月24日 6時) (レス) @page45 id: 098f1a119e (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ(プロフ) - ななさん» 大きく展開が動きました…これからどうなるか、楽しみにしていてください♪ (2021年11月23日 19時) (レス) id: 18aa49fd4f (このIDを非表示/違反報告)
なな - ちょっと泣きそうになりました、、、みっくんがどうなってしまうのか。。。 (2021年11月23日 14時) (レス) @page43 id: 098f1a119e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナナシ | 作成日時:2021年11月10日 0時

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