条件:08 ページ8
今日も居残りである。
田中に帰らないか聞かれたけど桜井ちゃんが分からない資料を手伝って残りはやっとくねって言ってしまったから。
まあ、明日までのやつだからな……
田中｢俺もやるよ。｣
｢んーん、すぐ終わるし。｣
田中｢……そう？じゃあ帰るね。｣
こうやって、みんなの仕事を請け負うのを田中は知ってるから。
別に今すぐにでもやる必要なければ残ったりはしないけど。
みんなギリギリになっても私にやらせればいいって思うようになって……まあいいんだけど。実際私が早いし。
｢はあああああ……帰りてえ……｣
もうすぐ終わりまで来て集中力が切れた。
ぴろん。
LINEか。
松村｢まだ？｣
松村｢ご飯作って待ってるんだけど｣
……あー！！！松村さんと住んでんだ！！！
あの時、なんで提案を受けいれたのか。
私がおかしかったとしか思えない。
でも追い出せない。
松村｢……お願い、人助けだから。｣
そう言われて、断れなかった。
実際母親がうるさいのも気になってたし。
｢……っし、帰ろ｣
誰かのご飯、久しぶりだな。
出来ないわけじゃないけどめんどくさくて、野菜ジュースとか、ゼリーとか。
そういうので済ませがちになってたから。
松村｢おかえり、こんな遅いの？｣
｢……他の子の分もやってて。｣
松村｢あー。……お疲れ様。｣
｢……あの、なんで私だったんですか？｣
松村｢……前から、ちょくちょく話してたじゃん、気になってたの。｣
｢私を？｣
松村｢うん。可愛いなって思ってたんだよね。｣
可愛い、だと……？
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作者名：冬村
| 作成日時：2020年3月20日 15時
