潜む悪魔たち��(ジョナサン) ページ13
※世界観が原作とかけ離れています。ファンタジー注意！
青々と生い茂る木々の中、夜の森を私は必死に走っていた。昨夜雨が降ったからか地面はぬかるんでいて、所々に水たまりがある。足元の泥に今にも足を滑らせ転んでしまいそうだ。体の節々から痛みを感じる。息だってとっくに乱れていて過呼吸気味だ。こんなにも辛くて仕方がないのに、私がそれでも走ることをやめないのは、どうしてだろう？
「いたぞ！」
森の中に響く声に、私は自分がなぜこうして必死に走っているのか思い出した。走ることに気を取られてすっかり忘れてしまっていたのだ。頭に被ったぼろぼろの布から零れ落ちた赤髪が視界に映る。赤い髪は血の色、赤い髪は悪魔の色。まわりと違うからという理由だけで孤立した私。＿＿ああ、思い出した。
そうだ、私は走らなければならない。
どんなに苦しくても、私は彼らから逃げなくてはならないのだ！
気力だけで突き動かされ、私は走る。背後からはまだ怒号が聞こえている。彼らの気配は未だ近いまま。心なしか距離が少し縮まっている気がする。このままではまずい、何か打開策を。体がよろけそうになった時だった。
「こっちだ！ A！！」
ふと聞こえた声に、私は衝動的に駆け出した。走る。走って、走って、走って……やがて声の主を見つけ、ぷつりと緊張が途切れる。
声の主は、私の友人、ジョナサン・ジョースターだった。
「ジョナ、サン……」
「きみ、一体どれだけ走ってきたんだ！？ 女の子に、なんてことをッ」
「いいの、それより、ジョナサ、追っ手が、」
「わかってるさ！ ぼくの住処はすぐそこだ……ぼくがきみを背負おう。早く、ぼくはきみを休ませなくちゃあならない」
ジョナサンは息も絶え絶えな私を背負うと、早足に歩き出す。振動の一つ一つに、体にダメージが入るようだった。
「すぐ着くから、もう少しの辛抱だよ＿＿」
ジョナサンの優しい声に、私の瞼はゆっくりと閉じていった。
続く
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とある決闘者(プロフ) - リルスさん» 感想ありがとうございます。キュンキュンしてくださっただなんて……その言葉だけでとても頑張れます。改めてありがとうございます！ (2017年12月12日 21時) (
レス) id: c74a5c30fb (このIDを非表示/違反報告)
リルス(プロフ) - この作品を見て、久しぶりにジョナサンとディオ様にキュンキュンきた…！更新がんばって下さい！ (2017年12月12日 21時) (携帯から) (レス) id: 5254e9f568 (このIDを非表示/違反報告)
とある決闘者(プロフ) - おバカな傀夢さん» 傀夢さんありがとうございます！ いつもあなた様のコメントに励まされています。是非是非お楽しみください！ (2017年12月11日 22時) (レス) id: c74a5c30fb (このIDを非表示/違反報告)
おバカな傀夢(プロフ) - とある決闘者様の作品はどれも好きなので、この短編集も楽しみに更新を待ちます！更新頑張ってください！応援してます！他の作品も楽しみです！！ (2017年12月11日 17時) (レス) id: 5ff30031ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とある決闘者 | 作成日時：2017年12月10日 22時
