もしかして ページ8
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にっこりとこちらを見て目を細めたジェノが、今日ほど怖かったことはない。
「帰るぞ」
こんな低い声も、聞いたことない。
ジェミンが察したのか早く行けと言わんばかりにめんどくさそうな顔でしっしっと手を振った。
「ねぇ待って、待ってってば。ジェノ、速いって」
腕を引っ張ったままずんずんと歩くジェノが、交差点を渡り終わるとようやく立ち止まった。
「今日もバイト早く終わったの?」
返事がない。
「ねぇ聞いてるじゃん、」
乱暴に手が離されたと同時に振り向いたジェノはちっとも笑っていない。
「あの人、」
「……ジェミン?」
「先週も一緒にいたでしょ」
「うん、」
もしかして横断歩道の向こうから見てた?
「誰」
「誰って同中だよクラスメイトだった」
「いつも一緒にいんの?」
「そんなことないよ待って、もしかして今、ジェノ、」
――嫉妬してる。
真剣な顔でちょっと怒ったようにも拗ねているようにもとれる、正直に真っすぐ届くジェノの言葉と視線に、今までなにも見えていなかった、見ようとしなかった自分を、ようやく思い知る。
「ジェノ、もしかして私を、好き?」
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かいにに(ぺったん)(プロフ) - 七瀬さん» あとがきお知らせページに記載済みですが、わかりづらいようなので追加のお知らせページを作りました。参考になさってください* (2023年3月23日 11時) (レス) id: ca38fe022c (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - そうだったんですね!Twitterが知りたいんですけど、どうしたらいいですかね?? (2023年3月23日 10時) (レス) id: abb9e95463 (このIDを非表示/違反報告)
かいにに(ぺったん)(プロフ) - 七瀬さん» 初めまして!コメント嬉しいです!きゅんきゅんしていただけてよかった(*´ω`*)すべてはリク内容が神すぎたおかげなんですけどね☆お読みくださりありがとうございます! (2023年3月22日 20時) (レス) id: ca38fe022c (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - 初めまして。悶えたのでコメント失礼致します。このすれ違う感じがもう読んでてキュンキュンしました! (2023年3月22日 18時) (レス) id: abb9e95463 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺったん | 作成日時:2023年3月21日 13時