お嬢様と執事～3～ (ページ2)

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Aside

家に帰って自分の部屋に着くとソファに座り込む。思っていたよりも疲れていたらしく座ったら立てなくなってしまった。

重「お疲れ様でした。」

そう言って紅茶を持ってきてくれた大毅。あんな話を聞いた後なのに平然としていて、私が養子になっても大毅は何とも思ってないのか？なんて考えちゃう。

けれどそんな事は言えるはずもなく、紅茶に手を伸ばした時、おもむろにみんなが入ってきた。

中「お嬢様、失礼いたします。」

七人が勢ぞろいして真面目な顔でみんな立っているから圧倒されてしまう。

中「これからの事についてお話ししたいと思いまして。」

「ごめん、まだ何も考えてなくて………」

中「そうですよね。ただ養子になるおつもりなのか気になりまして………」

正直養子になんかなりたくない。

もう、家族なんていう繋がりは勘弁してほしい。

みんなのおかげで過去の辛い記憶から立ち直れても、ふとした時にその記憶は何度でも蘇ってくる。

家族で思い出すのは温かい思い出よりも、鼻をつく血の香りと目の前に横たわるお母さんの姿だ。

どれだけ前に進もうとも不幸の記憶はいつだって脳裏に存在する。

「養子にならない方法が無いか、探したいの。」

するりと自分の口から出たのはそんな言葉だった。その自分の言葉を発してから自分の考えがまとまった気がする。

みんなが隣に居てくれるならもうちょっと足掻いてみてもいいかな？