お嬢様と執事～3～ (ページ1)

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Aside

幸せな雰囲気も程々にあの後すぐにみんなに会社を重岡会長に任せる事という事を伝えた。

全員納得してくれて、何もできない私に代わって淳太たちが会社の社員への説明や相手側との話し合いも全てやってくれた。

そして今日は今後についての話を直接私としたいと重岡会長がおっしゃって久しぶりにお会いする事になった。

「色々とありがとうございました。」

『いやいや、スムーズに行ってよかったよ。有能な執事を持ったものだね。』

今回の合併にあたって当然社内からは反対の声も上がった。しかしそれら全ては淳太を中心にみんながまとめ上げてくれた。

『それで、今日はAちゃんの事なんだけど』

そろそろその話が上がる頃だとは思っていた。会社は重岡グループに入り、後ろ盾が無くなった私はこのままじゃ生きていけない。

『私の養子にならないか？今まで通りに生活してくれて構わないし、その時が来れば君に見合った結婚相手も見つけよう。』

こんな勿体ない話はないくらい素敵な話だ………でも、私には、大毅がいる。

養子になれば大毅と兄妹になってしまう。やっと大毅と想いが通じあったのに、この気持ちを無かった事にするなんて嫌だ。

かと言って世間一般ではまだ高校に通っている年齢の私が一人で生活することはできない。

「考えさせていただいてもよろしいですか？」

取り敢えずゆっくり考えようとそう答えた。

『何か不満なだったかな？いい話だと思ったんだが………』

「勿体ないくらい素敵なお話ですが、大事な話ですのでお時間いただけないでしょうか？」

『わかったよ、考えといてくれ。』

「ありがとうございます。」

少し渋られたけれど何とか納得してもらって、その場を離れた。