悩んだ末に ページ16
Aside
中「お嬢様、そろそろ重岡会長にお返事した方がよろしいかと……」
淳太にそう急かされたものの、まだ答えは出ない。
大毅のプロポーズの返事を考えれば考えるほど、余計な心配が増えていってどうしたらいいのかわからない。
大毅と私はお互いにライバル会社の跡取りだった。
今でこそ私はお父さんの会社が吸収されて跡取りではなくなったけれど、そんな立場の私が大毅のお父さんに認めてもらえるかもわからない。
それに重岡会長が許してくれても会社の人たちから反論されるかもしれない。
余計な心配かもしれないけど、気にせずにはいられない。
「うん、そうだよね……わかってる……」
それに、私が大毅と結婚したとして、淳太やみんなはどうなるんだろう?
会長は今まで通りの生活を約束してくれたから、養子になればきっとみんなとも離れずに済む。
でも、結婚したらどうなるかわからない。
それにまだ私は未成年なのに結婚したなんて聞いた人たちはどう思うだろうか?
変な目で見られたって文句は言えない。一般的じゃない事は確かなんだから。
そんな事ばかりが頭を支配する。
中「お嬢様?」
「……………ん?」
中「急かすような事を言って申し訳ありませんでした。大事な事ですし、ゆっくり考えていただいて構いませんからね?」
挙げ句の果てに淳太に気を使わせて………しっかりしなきゃなぁ〜
「ありがとう………ちゃんと答え出すから、もうちょっとまってて………」
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作者名:杏樹 | 作成日時:2019年2月15日 17時