カランコエの前で ページ44
Aside
望に押された私は自然と中庭に向かっていた。
目の前に咲き誇っているのはカランコエの花。
ここに来れば大毅がいるような気がしたのに、見当違いだったようで大毅どころか誰もいない。
寂しくなっていた時に後ろから待ち望んでいた人の声が聞こえた。
重「お嬢様……？」
振り返るとこれまた驚いた様子の大毅が立っていた。
さっきから周りを驚かせてばっかりだな、なんて思って苦笑がこみ上げる。
重「お嬢様が私の事探してるって照史から聞いてめっちゃ探したんですよ？ここにいらっしゃったんですね。」
照史なりの気遣いだろう。
いざ本人に気持ちを伝えるとなると緊張して喉が詰まる。
好き、の二文字を伝えるだけなのに、それがこんなにも大変な事だなんて初めて知った。
重「……お嬢様？どうかなさいましたか？」
でも、言わなきゃ。
ここで諦めるわけにいかない。
今、伝えるよ。
「大毅のことが、好きです…………」
沈黙が流れた。
重「お嬢様、顔を上げてください。」
恥ずかしくて俯いていた顔を上げると目の前に大毅の顔があった。
重「俺も、Aのことが好きや。」
突然呼ばれた名前にドキッとしてしまう。
重「ふふ、顔真っ赤やで。かわいい。」
抱きしめられた。
優しくて、温かいのは望と同じなのにどこか違う感覚なのは………
「そっか………望より背が低いんだ……」
重「はぁ？今それ言うか！？」
「へ？」
呟いたはずの言葉は大毅に聞こえていたらしい。
もーーーーなんて言う大毅の顔は緩みまくってる。
重「これからは、俺が執事としても、彼氏としても守るから。絶対。約束する。」
この言葉を聞いた時大毅とならなんだって乗り越えられるってそう思えたんだ。
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杏樹(プロフ) - ひぃさん» ありがとうございます(＞人＜;)亀更新ですがこれからもよろしくお願いします！ (2019年1月7日 13時) (
レス) id: ca6c40f50d (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ - この作品大好きです。更新頑張って下さい!! (2019年1月6日 11時) (レス) id: 6e1b6406da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏樹 | 作成日時：2019年1月2日 22時
