勇気を出して ページ16
Aside
藤「お嬢様……」
いきなりドアを開けた私に驚くみんな。
『遅いわよ。ほら、帰るよ。』
でも叔母さんは一切驚かずに私の腕を掴んで引っ張ったから、ありったけの力でその手を振り払った。
「帰るってどこに？」
『私の家に決まってるじゃない。今のあんたに帰る場所なんて無いんだから。』
……帰る場所。私の帰る場所は叔母さんの家なんかじゃない……
私の帰る場所は……
「やだ、絶対あんな所になんて戻らない。」
私の帰る場所はここだから。
優しくて、面白くて、頼りになるみんながいる場所が私の帰る場所だって思ってるから。
もうあんな辛い場所には帰らない。
『何言ってんの。あんたのお父さんが捕まった今、一番近い血縁者は私なの。私が引き取るのが普通でしょ？』
「普通じゃなきゃいけない決まりなんてあるの？血の繋がりだけが全てじゃないでしょ！」
血縁者だからとか言っときながら、私をこき使ったのはどこの誰だよ。ひどい言葉浴びせといて、時には暴力振るっといて、今さら戻ってこいなんて無理に決まってる。
『はぁ……あんたのそういう頑固な所、お姉ちゃんにそっくり。なんで外見だけじゃなくて中身も似るのかな。』
「えっ………」
『私があんたの事を嫌いな理由教えてあげよっか？』
小「A聞いたらあかん！」
後ろからそんな声が聞こえた気がするけど何故か金縛りにあったように動けない。
『そのあんたの目が！お姉ちゃんそっくりなのよ！あんたの目を見るたびにお姉ちゃんに見つめられてる気がして怖いのよ！目障りなの！』
そんな目くらいで……
『あんたなんか、あんたなんか生まれて来なきゃよかったんだ！』
何でそんなに言われなくちゃいけないんだ。
何で……何で……
ふわっと身体の力が抜けて意識がそこで途絶えた。
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杏樹(プロフ) - ひぃさん» ありがとうございます(＞人＜;)亀更新ですがこれからもよろしくお願いします！ (2019年1月7日 13時) (
レス) id: ca6c40f50d (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ - この作品大好きです。更新頑張って下さい!! (2019年1月6日 11時) (レス) id: 6e1b6406da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏樹 | 作成日時：2019年1月2日 22時
