あ、最年少です。 (ページ3)

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あ、朝です。ページ3

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……ゃ、…ぉきや、起きや、A、

穏やかな低音が鼓膜を揺らす。

優しい掌が髪や頬を撫でて、その体温に擦り寄ると可愛いな、なんて呟きとくすくす笑う音。

まだ、起きたくない、いやや。

けれど時間は待ってくれない訳で、重たい瞼をゆっくりとこじ開ける。

「…ょし、くん、」

正門「おはよお、もう起きや」

「んんー、ん、……ねむ」

正門「ふは、目ぇ全然開いてへん。顔洗い行く？」

「…ん、だっこ、」

正門「はーい、ちゃんと掴まっときやね」

ふわり、身体を襲う浮遊感に、男らしい身体にしっかりと抱き着く。

身長、さして変わらんのに。なんでこんな軽々抱っこできるんやろ。

なんなら末澤さんも俺のこと抱っこ、できるし。俺、そんな軽い？

洗面所への道中ゆらゆらと揺られていれば、また睡魔は襲ってくる訳で。

首元に顔を埋めてすん、と鼻を鳴らせば鼻腔をくすぐる落ち着く匂い。

彼は恥ずかしいしくすぐったいからやめて、って言うけど、俺はこの匂いが大好きで、ぐりぐりと頭を押し付ける。

流石に汗かいてる時はせえへんけど。

正門「今日俺夜遅なるからこじけんのとこ行っといでな」

「えー…べつに、ひとりでも…」

正門「でも心配やからさ、な？」

「まちゃやくんのとこがいい」

正門「兵庫やん」

「……よしくん過保護すぎやって」

朝支度をしながら過保護な飼い主に言いくるめられるのはいつものこと。俺、もう高校生やのに。

まあ、小島くんのおうち、ご両親の方も俺のことよう可愛がってくださるし。

お互い支度を済ませ、先に家を出る彼を見送る。

昼からの仕事でまた会うけど、朝の仕事は別々やから。

正門「ほな、また後でな」

「夜、小島くんとこ泊まった方がええ？」

正門「んー、日付変わる前には帰ってくるから、そんときのAの気分で決めや」

「ん」

靴を履き、玄関の段差で目線が同じ高さになった彼の首元に腕を回す。

愛しそうな眼差しを向けられて、腰を抱き寄せられれば。

ちゅ、と小さなリップ音と共に重なる、柔らかな唇。

後頭部に手を添えられ、そのまま何度か啄むように口付けを交わす。

その感触が離れたら、同居人の俺たちとしてではなく、メンバーとして、切り替わる合図。

「いってらっしゃい、…正門くん」

正門「いってきます、ねこも、気ぃつけてな」