Crush on me !!

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「いいよ、ウチおいで」






Aさんは、見た目と裏腹にだいぶぶっ飛んだお姉さんやった。


拾ってくれという俺の無茶苦茶なお願いに、少しも考えるそぶりを見せずに頷いた人。




部屋に向かう途中もたまにふふって笑っててなぜか楽しそう。

酔ってるにしても、少し怖くて引き返すか迷った。



でも側から見れば女性に声をかけていきなり家にお邪魔しようとしてる俺の方がやばいやつやんな、と冷静になる。




そんな周りも気にせんと、るんるん帰ってたら危ないで。

前を歩く彼女に向けて心の中で呟く。どの口が言うてんの。






「はい、ここが私の部屋〜。そんな広くないよ」



パンプスをパパッと脱いで先に上がっていく。

ぶっ飛んだ彼女の部屋は予想に反して、子綺麗でシンプルやった。


全体的に白っぽくて、無駄なものがあまり無い。





「適当に好きなとこ座って、何してもいーよ。盗みとかだけはやめてね」



そう言って多分脱衣所に消えていった。

……まじでこの人警戒心無さすぎひん？



ペースに乗せられて若干戸惑いつつ、ソファの端に座ってテレビのリモコンに手を伸ばした。


このソファ、俺ん家のやつと似ていていい具合に落ち着く。





適当に深夜のバラエティにチャンネルを合わせて流し見していたとき、先程のバリキャリ姿とは打って変わった姿で彼女は脱衣所から出てきた。



ジャケットとスラックスは、緩めのロンTとショートパンツに。

後ろで一つにくくっていた髪はおろされていて、意外に長かったんやと気付く。


メイクを落としたであろう素顔は大きく変わったわけではないものの少しあどけない。




さっきまで圧倒的に年上のお姉さんやったのにな。

今じゃ俺と同じか、なんなら少し下にも見える。





ちょっと……これは色々とあかんわ。




不意打ちにドギマギしている俺をよそに、本人はスタスタ冷蔵庫に一直線。




いやいや、そんな後ろ姿あかんやろ。足出しすぎやって。

……面倒くさい彼氏か俺は。




思わずガン見していたら急にこっちを向いて焦った。





「私飲むけど、ビールいる？」


「、、ええの？欲しい」




結構酔ってたのにまだ飲むんかこの人って気持ちと、

こんなん飲まんとやってられへんわって気持ちが混在して、一本頂戴してしまおうと決めた。






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