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それから十数年
拓実くんは大学の先輩の会社の企画開発部に就職し、
バリバリ働いている
一方私は夢だった看護師として3年間病院で働いて、
息子を授かったタイミングでその病院を離れた
今は拓実くんに紹介してもらって、拓実くんの働く
会社に看護師として勤める傍ら、受付的なことをしている
拓｢はい｣
｢え？｣
拓｢息子の3歳の誕生日だけど、Aがママになって3歳の日でもあるやろ？｣
｢そうだね……｣
拓｢Aに花束渡すなんて、Aの中学の卒業式以来？
今日ふとあの日のこと思い出して｣
｢拓実くんも？｣
拓｢Aも思い出したん？笑
あの時はピンクやったけど、今回は青にした！｣
拓実くんがくれたのは、青のバラの花束
拓｢A知ってる？｣
｢ん？｣
拓｢青バラの花言葉って、不可能とかネガティブな
意味なんやって｣
じゃあなんで拓実くんは私に青バラを……
拓｢昔はな｣
｢昔は？｣
拓｢青バラを作るのは不可能って言われてたから
でも今は違くて、今の花言葉は”奇跡”｣
｢奇跡か……｣
拓｢俺とAが出会えたことも
息子が生まれてきてくれたのも全部奇跡
だからこれからもずっと一緒にいよな｣
息子｢パパかっこいい！！｣
拓｢だろ〜？｣
息子｢僕パパみたいにかっこよくなる！｣
拓｢息子〜息子もいつか好きな人を守る
強い男になるんだぞー！｣
息子｢うん！！｣
｢じゃあ私からも、はい｣
拓｢手紙？｣
｢うん。私から手紙書くなんて中々ないでしょ？｣
拓｢うわ〜楽しみ！今読んでもいい？｣
｢いいよ｣
息子｢ぼくもみたい！｣
拓｢息子は待って、先にパパが読むから｣
ねぇ拓実くん、、
私はあなたに出会えて本当に幸せだよ
沢山喧嘩もしたし、私が不安になって泣いて、
拓実くんを困らせたこともあったね
でもいつも話し合う時間を作ってくれたり、
先に謝ってくれたり、こんな私を愛してくれてありがとう
プロポーズしてくれた日のあの緊張した姿と
返事をした時の喜んでくれている姿は一生忘れられない
あなたと家族になれて、息子も生まれて、
これ以上の幸せはないよ
だからね、その手紙の最後に拓実くんへの
素敵なサプライズがあるんだ
卒業式の日、サプライズで来てくれて
私に告白してくれたことを思い出して書いてみたよ
拓｢えっ、、A、、｣
”新しい家族が増えるよ”
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作者名：nana | 作成日時：2021年8月31日 21時
