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そして卒業式の日
色々あった中学生活を乗り切り、
いよいよ華の高校生活が目の前に迫った
式が終わって後輩が写真を撮りたいと言ってくれたので、
写真を撮っていると、校門付近がザワついた
きっと誰かが告白でもしたのだろう
ひとしきり写真を撮って話し終わって、そろそろ
校門近くも空いてきたからと両親のもとへ向かった
拓｢やっほ｣
両親の隣にいたのはここにいるはずのない拓実くん
｢え……｣
拓｢卒業おめでとう｣
ザワついていた理由は拓実くんだった
｢なんで……｣
拓｢なんでって、おめでとう言いに来たんやん｣
｢今日、部活の試合なんじゃ｣
拓｢試合は来週、サプライズする為に嘘ついた｣
この前たまたま学校帰りの拓実くんに会った時、
勇気を振り絞って卒業式の日程を伝えたのに
拓｢その日部活の試合、ごめん｣
そう言われたのだ
拓｢はい、これ｣
拓実くんがくれたのは、ピンク色のバラの花束
拓｢A、ピンク好きやったろ？｣
｢そう、だけど、、｣
拓実くんが来てくれたという嬉しさと驚きで
上手く言葉が返せない
拓｢ピンクのバラって感謝とか上品とか
色々な意味があるらしいんだけど、
俺が1番好きなのは”愛の誓い”ってやつ｣
拓｢俺、ずっと言えなかったけど、
小さい頃からずっとAのことが好き｣
恋愛小説で読んだ、時間が止まったみたいなんて、
2人しかいないみたいなんて、信じてなかったけど、
今ならあの主人公の気持ちがわかる
拓実くんの目に吸い込まれるみたい
｢好き｣が頭の中をこだましている
拓｢Aは？｣
｢へ？｣
拓｢Aの気持ち、教えてくれへん？｣
言ってしまっていいのだろうか、ずっと胸の奥に
秘めていたこの気持ちを
｢拓実くん｣
拓｢なに？｣
｢私、意外と独占欲強いかもよ｣
拓｢うん｣
｢勉強もスポーツも人並みやし、スタイルだって良くない、、｣
拓｢それがAなら、俺は全部ひっくるめてAを愛すよ｣
言いたいのに、涙が溢れて止まらない
拓｢そんな泣かんで笑｣
｢拓実くん、だいすき……｣
拓｢俺もだいすき｣
涙が止まらない私を拓実くんはそっと抱きしめてくれた
周りがキャーキャー言ってるみたいだけど、
私の耳には優しい拓実くんの鼓動しか聞こえない
ちなみにこの時両親は拓実くんから告白することを
事前に聞いていて、ノリノリで動画に撮って 拓実くんのご両親に送ったらしい
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作者名：nana | 作成日時：2021年8月31日 21時
