プロローグ ページ1
「Aっ！」
…大丈夫。ちゃんと見えてる。
……決められる。
『いけっ、』
体全体に力を込めて相手コートにスパイクを打った…
つもりだった。
俺より後に跳んだ相手のミドルブロッカーに俺のスパイクが叩き落とされる。
…決めることができなかった。
ピーッ……
試合終了の笛がなる。
「A…行くぞ」
放心状態で立ち尽くす俺はチームメイトの1人に腕を引かれ整列した。
…情けない。
情けなすぎて涙も出てこない。
中学生活最後の大会だった。
俺のせいで……負けた。
「「「応援ありがとうございました！！！」」」
試合終わりの最後の整列、俺はそこから何も記憶に残っていない。
家に帰っても重い空気。
俺はそう簡単に気持ちを切り替えることができない。
蛍「……いい加減にしてくんない」
見かねた蛍がぼそっと呟く。
明「蛍っ、」
明光が蛍を止めようとするがそれでも蛍は話し続ける。
蛍「Aのせいで負けたと思ってんの？自意識過剰すぎでしょ」
『っ…』
今思えば蛍は蛍なりに俺を慰めようとしてくれたのかもしれない。
少し考えればわかる事だ。
でもその時俺は…素直に受け止めることができなかった。
蛍「だからさっさと気持ち切り替えて…
『蛍にはわかんねぇよ』
蛍「…は？」
『蛍にはわかんねぇよ俺の気持ちなんて！』
『どんだけ努力しても届かない身長の壁がどれだけ高く見えるか…！』
『何をしても蛍に追いつくことすらできない、この俺の気持ちなんか、
蛍「分かる訳ないじゃん。言ってくれないんだから」
淡々と告げられたその台詞。
俺より落ち着いている蛍の様子すらもなんか負けてる気がして。
悔しい……悔しい悔しい。
俺は逃げるように自室に入った。
明「A！」
明光の声も無視して。
救いは蛍と部屋が別な事だ。
俺は電気もつけず暗い部屋の中、ベッドの上で仰向けになり蛍に向けて放った言葉を振り返る。
…完全に当たってしまった。
俺の勝手に抱いてる蛍に対するコンプレックスは蛍自身とは何も関係ないのに。蛍は何も悪くないのに。
けど、蛍は俺のせいじゃないって言ってくれたけど、俺があの時ちゃんとスパイクを決めていれば試合は繋がっていた。
『…くそ』
蛍が羨ましくて憎い。
俺がもう少し体格が良くて身長が高ければ…。
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RIN(プロフ) - はくろーさん» コメントありがとうございます!! とても励みになります。当方学生の為、少々時間がかかってしまいますが待っててくださると幸いです!! (2022年6月29日 1時) (
レス) id: d20930fef4 (このIDを非表示/違反報告)
RIN(プロフ) - (名前)さん» ご指摘ありがとうございます!! ただいま漫画で確認したところセットカウントが2-0になっていました。自分はこの小説を書く際、漫画の設定を第一に考えてるので今回は修正しなくても大丈夫でしょうか...？ (2022年6月29日 1時) (レス) id: d20930fef4 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー - おもろかったです!更新を楽しみにしてます(*^ ^*)頑張ってください♪ (2022年6月27日 21時) (レス) id: fc551a1063 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 決勝は3セット先取だから3:0だと思います！ (2022年6月26日 18時) (レス) @page48 id: dc2b6c0f46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIN | 作成日時：2022年4月29日 16時
