おめでとうより君が欲しい・・・神山×重岡 ページ43
「神ちゃん！誕生日おめでとう〜！！」
今日何回言われたんやろ。
もちろん嬉しい。
みんなが俺の誕生日を覚えていてくれて(機械に頼ってんのかも知れへんけど)、
祝ってくれるんは、掛け値なしにそら、嬉しいことや。
せやけど。
「神ちゃん、今日はどないするん？彼女にお祝いしてもらうんやろ？！」
にやにや笑いながら俺を擽ってくるシゲに、俺が泣きたくなってること。
きっと彼は知らない。
「彼女なんかおらんし」
帰り支度をしながら目も見ずに言うと、
「そうなん？ほんなら俺がお祝いしちゃる！」
突然腕を引っ掴む。
「えっ、あ、ほんまっ？」
「さ、行こ行こ！」
転びそうになりながら引っ張られ、
捕まえたタクシーに乗ってミナミを目指す。
なんでかタクシーで、シゲは一言も喋らんかった。
俺も俺でなんや緊張して、窓の外を流れる風景を
じっと見つめた。
「じゃ、神ちゃん、お誕生日おめでとう〜！！」
俺の好きな串カツの店に席を取り、乾杯する。
目の前にはお通しの枝豆。
二人の間のテーブルは、
場所を持て余すように黙っている。
「ありがとう」
「うん、おめでとう」
にこにこしながら、枝豆をつまむシゲ。
ただその笑顔を見ていられればええ。
それだけで十分やって、
思っていたのに。
ただ枝豆と飲み物を口に入れて、
会話もなく目を合わせる。
いつもならくだらない話、なんぼでも出てくんのに。
口を開けばシゲはおめでとうしか言わへんし。
俺も俺で、ありがとうって、それしか言えへんくて。
「ほんま、おめでとうやで神ちゃん」
串カツはいっこうに届かない。
混んでるんや。
仕方ない。
そのうち飲み物ものうなって、
ほんまに汗が出てくる。
ヤバい。
暑くてなんや、俺、
「もういらへん！」
思わず出た声は案外大きかったらしい。
シゲが目を丸くして見ている。
「へ？」
「おめでとうは、もうええから」
「え、あ・・うん・・」
シゲは俯いてしまった。
「おめでとうより、シゲが欲しい」
情けないことに、呟くようにしか出えへんかった声。
「えっ」
それやのにシゲは顔を上げ、さっきより大きく目を開く。
「シゲをくれへん？俺に」
「俺で、ええん？」
気のせいなんか、シゲの耳まで赤くなってるように見える。
「シゲがええねん」
そう言うと、コクンと頷く。
「今日だけやなくてずっと俺、神ちゃんのもんや」
潤んだ瞳で微笑んで。
シゲが笑った。
fin.
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しろくま ．○(プロフ) - 大福もちこさん» 返事遅くなっちゃってすみません！ありがとうございます！！楽しみです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年8月23日 2時) (
レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - しろくま ．○さん» しろくまさん、リクエストありがとうございます＾＾遅くなりましたが承りました！がんばりますね〜♪ (2016年7月28日 0時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま ．○(プロフ) - 小説面白いです！いきなりですけどリクエストいいですか？のんちゃんが女体化してしげりゅせに取り合いされてるのを見てみたいです！これからも更新がんばってください！ (2016年7月13日 11時) (レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 赤兎さん» いえいえーどうもありがとうございます＾＾リクエストうれしいです。重岡さん総受ですか。む、難しいけどがんばってみまーす！！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 森村里桜さん» わぁ〜本当ですかっ嬉しいです！感想頂けるのすごくうれしい＾▽＾かなりゆっくり更新ですが、これからも楽しんで貰えるようにがんばります♪ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大福もちこ | 作成日時：2015年12月14日 0時
