続・故意に拾った恋だから(1)・・・重岡×照史 ページ40
あの日から、大毅との関係が変わった訳ではなかった。
むしろ大毅は最近考え込んでばかりで、俺の話にも上の空。
大毅と出会って俺の毎日は輝き出したのに。
そう伝えても大毅は、気のせいやなんて言って、
いつだって話を逸らした。
大毅に触れられた唇は、
俺の心に確かに何かを残したのに。
ピンポーン。
「大毅〜、おるん？」
チャイムを押しても反応がないことなんかないのに。
微かな胸騒ぎを覚えて室内に足を踏み入れる。
「大毅？」
物音ひとつしない室内の空気が
身体を強ばらせる。
「大毅？」
寝室に入ってベッドを触っても、気配はない。
「どこなん？大毅！」
膨らんだ不安を押さえ込みながら耳を澄ますと、台所で何かが落ちて転がる音がした。
「大毅っ！」
「照・・史・・」
床から聞こえるか細い声。
「どないしたん？！」
「頭・・痛ぃ・・」
身体を抱き上げると、やけに熱い。
「熱あるんちゃう？」
「ね・・つ・・？」
はぁはぁと辛そうな息に、俺まで苦しい気がしてくる。
「大丈夫やからな、すぐ楽になるからな」
ベッドに運んでそっと大毅を寝かせる。
そっと触れたおでこは汗をかいて
前髪が張り付いていた。
「パジャマどこにある？」
自分を必要以上に卑下しているけれど、
寝るときはパジャマを着ているし、ご飯だって自分で作っている大毅。
ちゃんと自分で生きていくんだって決意が、俺にはいつも見えていた。
「いら・・へん・・」
大毅がシャツの袖を掴む。
「せやけどパジャマ着たら楽やで」
「わからん・・そんな・・ん・・いらへんっ・・」
なんだか声が濡れている気がして、立つのをやめてベッドの脇に膝をつく。
「大毅」
ほっぺたにそっと触れ、頭を撫でる。
顔が見えないのがもどかしい。
「大毅、何が欲しい？
ごめんな、俺目ぇ見えへんから、大毅の気持ちもようわからんくて、」
「ちゃう・・」
「え？」
「ここに、おって・・」
細い指でぎゅっと握られた手首。
嬉しいのになんでか俺は泣きたくなって、
「おるで。大丈夫。ちゃんとおるからな」
それを隠して大毅の手を包んだ。
ーーーー
手をつないだまま、枕に掛かっているタオルで大毅の顔と頭を拭う。
「照、史・・どこもいかんとって・・」
「いかへんよ。ここにおるからな」
多分ウトウトしかけている大毅の胸の辺りを擦る。
本心を言ってくれない大毅の気持ちを、知りたいと願いながら。
(つづく)
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しろくま ．○(プロフ) - 大福もちこさん» 返事遅くなっちゃってすみません！ありがとうございます！！楽しみです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年8月23日 2時) (
レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - しろくま ．○さん» しろくまさん、リクエストありがとうございます＾＾遅くなりましたが承りました！がんばりますね〜♪ (2016年7月28日 0時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま ．○(プロフ) - 小説面白いです！いきなりですけどリクエストいいですか？のんちゃんが女体化してしげりゅせに取り合いされてるのを見てみたいです！これからも更新がんばってください！ (2016年7月13日 11時) (レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 赤兎さん» いえいえーどうもありがとうございます＾＾リクエストうれしいです。重岡さん総受ですか。む、難しいけどがんばってみまーす！！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 森村里桜さん» わぁ〜本当ですかっ嬉しいです！感想頂けるのすごくうれしい＾▽＾かなりゆっくり更新ですが、これからも楽しんで貰えるようにがんばります♪ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大福もちこ | 作成日時：2015年12月14日 0時
