故意に拾った恋だから(3) ページ36
大毅と知り合った日。
喫茶店を一時間くらいで出たものの何故か離れ難くて。
もうちょっと話せへん？と言った俺を、大毅は家に招き入れて。
ここにソファあるでと俺の腕をとって座らせてくれた。
何もない部屋だと、大毅は言ったけれど
そこは大毅の匂いがして、心地良かった。
何度も通ううち、大毅とそこにいることが多くなった。
ただたわいもない話をして大毅が笑う。それが嬉しくて。
いつも悲しそうな大毅に、笑って欲しくて。
「照史」
何度目かの夜。
大毅の声に振り向くと、唇にやわらかいものが当たった。
「今の、」
「照史は男が好きなん？」
「え？なんで？」
「あないな店におったから」
「やからただの喫茶店やと思たんやて」
「あ、そか。そうやんな」
「けど、そないな店やったんか」
「そやで」
「大毅は、そうなん？男が好き？」
「え、俺？」
そう言うと流れる沈黙。
「好きやで！俺、男も女もみーんな好きやっ！」
「ふはっ、大毅、かわいいなぁ」
大毅の笑顔が見える気がして、泣きそうになる。
「照史？」
「あ、なんや・・あれや、ほらっ。大毅の顔、見たいなぁ、て・・」
ーーーー
「照史・・」
笑顔で涙をこぼす照史に胸が締め付けられる。
「かわいい顔で、笑うんやろな」
「かわいいことないで？照史のが百倍かわいいで」
「俺の予想ではそれはないな。でも・・見たいな・・」
自分の袖で拭った涙。
俺に向けるにはもったいない、きれいな微笑み。
「大毅？」
「照史を拾ったん、間違いやったな」
これ以上好きになったらあかんと、どこからか警告音が聞こえた。
「え？」
「住む世界がさ、ちゃうやん？」
照史の家は裕福で幸せな家庭で。
一方俺は親も兄弟もいない、帰る場所もない、男に身体を売るだけの半端者で。
「なんで間違いやなんて言うん？
俺学校出てからやることなくて、色んなとこ行きたいなんて言うてウロウロしとった。
けど大毅に会ってから俺、」
「俺はちゃうねん」
今ならまだ引き返せる。照史をこんな生活に巻き込んだらあかん。
そう思って握った拳を、照史が包んだ。
「そんなこと、ほんまは思ってへんねやろ？」
故意に拾った恋だから。
自分勝手に捨ててもかまへんと思っていた。
それやのに。
「ほんまは、一緒におりたい」
そう言うたら、照史は笑ってくれる？
喜んでくれる？
「大毅と一緒にずっとおる」
そう言うて、くれるやろ？
fin.
ウラオモテ(1)・・・小瀧×淳太→←故意に拾った恋だから(2)
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しろくま ．○(プロフ) - 大福もちこさん» 返事遅くなっちゃってすみません！ありがとうございます！！楽しみです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年8月23日 2時) (
レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - しろくま ．○さん» しろくまさん、リクエストありがとうございます＾＾遅くなりましたが承りました！がんばりますね〜♪ (2016年7月28日 0時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま ．○(プロフ) - 小説面白いです！いきなりですけどリクエストいいですか？のんちゃんが女体化してしげりゅせに取り合いされてるのを見てみたいです！これからも更新がんばってください！ (2016年7月13日 11時) (レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 赤兎さん» いえいえーどうもありがとうございます＾＾リクエストうれしいです。重岡さん総受ですか。む、難しいけどがんばってみまーす！！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 森村里桜さん» わぁ〜本当ですかっ嬉しいです！感想頂けるのすごくうれしい＾▽＾かなりゆっくり更新ですが、これからも楽しんで貰えるようにがんばります♪ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大福もちこ | 作成日時：2015年12月14日 0時
