愛し過ぎた不機嫌(3) ページ33
どれだけの時間が経ったのか泣き疲れて顔を上げると、少しだけ開いたカーテンの隙間。
夜の町が歪んで見えた。
ネオンは山ほど輝いとるのに肝心なお月さんはいてへん、俺には真っ暗な都会の夜。
そういやここは寝室で。いつも淳太と一緒に眠る場所やから。
ここに俺を閉じ込めたら、淳太はどこで寝るんやろう。
布団はここにしかない。
淳太に風邪を引かせたらと思うと、心配でしょうがなかった。
ーーーーーー
閉じ込めてみたところで俺の心が晴れる気配はない。
「淳太」
寝室の前でうずくまっていると、崇裕が俺を呼んだ。
「何？」
「トイレ行きたいねんけど。それと、」
トイレと聞いてドアを開ける。
崇裕の姿よりも先に、毛布が差し出される。
「何？」
目を見ないように俯いて問う。
「淳太、風邪引いたら・・あかんから」
「トイレは？」
「・・行ってくる」
無理に俺の顔を覗こうとはせず背を向ける。
「んで？」
「え？」
「なんで俺の心配なんかすんねん・・」
「なんでて」
「俺、崇裕のこと閉じ込めたんやで？正気の沙汰ちゃうやろ！？なんで・・怒らへんねん」
「そんなん、しゃあない」
足先がこっちを向くのが見えた。
「しゃあない？」
「淳太のこと傷つけたんは俺やねんもん。悪いことした思てる」
そんなん、完全ないちゃもんやん。わかっとるやろ？
崇裕は真面目に仕事してただけや。崇裕はなんにも、悪ないやん。
「俺、頭冷やしてくる」
好きになり過ぎたから。やから俺、自分を見失って。
「待って！」
玄関に足を下ろすと、後ろ手を掴まれる。
「淳太行かんといて、お願いやから、」
崇裕の手が強く俺を止めて、それが涙腺を刺激する。
「このままやったら崇裕のこともっと傷つけてまう。俺・・もう自分のこないなとこ見せたないねん。崇裕を幸せにしたくて一緒におったのに・・。こんなんやったら俺っ」
馬鹿みたいに不機嫌で、崇裕に悲しい思いばっかりさせて。
「ええねん」
くるりと向きを変えられて、すぐ前に崇裕の顔。
それは予想に反して優しい笑顔。
ようやく見られた、大好きな瞳。
「俺かてあるで」
「何が？」
「愛し過ぎて、不機嫌になること」
「どんな時？」
「淳太と目が合うてない時全部や」
「全部？」
「そ。やから淳太だけはそんな俺を知らへん」
せやろ？と崇裕が笑う。
「淳太、俺だけを見といて」
六時間ぶりの崇裕の匂いが、俺を包んだ。
fin.
故意に拾った恋だから(1)・・・重岡×照史→←愛し過ぎた不機嫌(2)
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しろくま ．○(プロフ) - 大福もちこさん» 返事遅くなっちゃってすみません！ありがとうございます！！楽しみです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年8月23日 2時) (
レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - しろくま ．○さん» しろくまさん、リクエストありがとうございます＾＾遅くなりましたが承りました！がんばりますね〜♪ (2016年7月28日 0時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま ．○(プロフ) - 小説面白いです！いきなりですけどリクエストいいですか？のんちゃんが女体化してしげりゅせに取り合いされてるのを見てみたいです！これからも更新がんばってください！ (2016年7月13日 11時) (レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 赤兎さん» いえいえーどうもありがとうございます＾＾リクエストうれしいです。重岡さん総受ですか。む、難しいけどがんばってみまーす！！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 森村里桜さん» わぁ〜本当ですかっ嬉しいです！感想頂けるのすごくうれしい＾▽＾かなりゆっくり更新ですが、これからも楽しんで貰えるようにがんばります♪ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大福もちこ | 作成日時：2015年12月14日 0時
