愛し過ぎた不機嫌(2) ページ32
「・・・崇裕・・」
淳太の手を押さえると、淳太がパタリと動きを止めた。
「あ・・おれ・・」
「なんでこない・・」
床に散らばる食器の残骸。
二人お揃いの茶碗も、マグカップも。
淳太が大切にしていたお高いワイングラスも。
全部が泣いてるように、俺には見えた。
「ごめん・・」
後悔なのか、頬には涙の跡。
だけど目線は一向に合わない。
「俺、何か悪いことした？」
そう言うと、
「自覚ないんや」
悔しそうに俺を睨むと、瞳に涙を浮かべる。
「自覚・・？」
戸惑う俺に、淳太の腕が伸びる。
掴まれた右手が俺の意志を無視して引っ張られる。
何も言えずに俺は寝室に放り込まれ、ベッドに押し倒されていた。
「っ、じゅん・・っ」
みぞおちに落ちて来た手の平。
痛過ぎて息継ぎもままならず目を瞑る。
悶えている間に、淳太はいなくなっていた。
「淳太っ！」
鍵なんてついていないはずのドアが、
どういうわけか開かない。
「なぁ淳太っ！出してや！なんでなん？！なぁ！」
ドアを叩くと、思いがけずすぐに返って来る反応。
「もうそっから出さへんことにしたから」
ドアの向こうの声が沈んでいる。
「なんで？」
「崇裕外に出したら、何するかわからへんもん」
「は？何言うてんねん。俺なんも、」
「したやろ・・」
一段低くなる声。
寝起きの淳太の低い声は大好きやけど。
ちゃうねん。
いつもの淳太と、違い過ぎる。
「何した言うねん！言うてや！言わんと俺、わからへんっ」
身に覚えがなさ過ぎる。
もう、泣きたい。
「小瀧に組みしだかれて喜んでたやろ」
「は？！」
小瀧？俺がのんすけと何した言うねん。
「俺とおるより嬉しかったんやろ」
「ちょっと淳太！んなわけないやろ！ドア開けてぇな。
ちゃんと目ぇ見て話、」
「必要ない」
「ちょ、」
「もう二度と、お前の目なんて見てやらん」
その途端、もの凄い恐怖に襲われる。
淳太、俺の目ぇ見てくれへんの？
もう、二度と？
「いややっ！淳太、なぁ！許してぇな！
俺生きてられへん！淳太に会われへんのやったら俺っ・・」
誤解を解こうなんてさっきまでの思いはどっかに去って、
絶望感だけに支配されていた。
「淳太・・っ」
「泣いたって許さへんから」
乾いた声。
「俺の辛さ味わったらええねん」
その声に実感する。
淳太を悲しませたことは事実なんや。
許されるためなら・・なんだって。
(つづく)
愛し過ぎた不機嫌(3)→←愛し過ぎた不機嫌(1)・・・淳太×濱田
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しろくま ．○(プロフ) - 大福もちこさん» 返事遅くなっちゃってすみません！ありがとうございます！！楽しみです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年8月23日 2時) (
レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - しろくま ．○さん» しろくまさん、リクエストありがとうございます＾＾遅くなりましたが承りました！がんばりますね〜♪ (2016年7月28日 0時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま ．○(プロフ) - 小説面白いです！いきなりですけどリクエストいいですか？のんちゃんが女体化してしげりゅせに取り合いされてるのを見てみたいです！これからも更新がんばってください！ (2016年7月13日 11時) (レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 赤兎さん» いえいえーどうもありがとうございます＾＾リクエストうれしいです。重岡さん総受ですか。む、難しいけどがんばってみまーす！！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 森村里桜さん» わぁ〜本当ですかっ嬉しいです！感想頂けるのすごくうれしい＾▽＾かなりゆっくり更新ですが、これからも楽しんで貰えるようにがんばります♪ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大福もちこ | 作成日時：2015年12月14日 0時
