抱え癖(3) ページ27
ドボドボドボーーー
「流星おはよ！」
「あ、お、おはよう・・」
「流星？」
俺を一瞥したものの、蛇口から流れる水から目を離そうとしない流星。
どう見てもおかしい。
「なぁ流星、ちょっとこっち来て」
水を止め、流星の腕を引っ張る。
「やっ」
え？
俺の手を振り払い、歯を食いしばって目を逸らす。
少しショックだったけれど、流星に悩みを話してもらうことが先。
「ごめん、触らないから。こっち来て。な？」
なるべく優しく言う。
今まで何だって話してきた。
小さな悩みやグチだって。
流星と共有すれば、なんだってちっぽけに感じられたから。
今回だってきっと。
そう思っていた。
「うん」
流星は俯いたまま俺の後に着いてきた。
ーーーーー
空いていた部屋に入り椅子に座る。
いつもなら隣に座る流星が、遠慮がちに向かいに座った。
「こっち来ないん？」
「うん・・いい・・」
「流星、何があったん？」
そう言うと、流星はパッと顔を上げる。
「何もない」
口ではそう言っているのに、
その顔は今にも泣き出しそうに見える。
「何もないわけないやろ。最近変やで？
何でも話してや。俺、そない頼りにならへん？」
「そんなんや・・ない・・」
「けど、元気ないんはほんまやろ？」
「元気・・」
いつもあっけらかんとしている流星が、
最近はどんより黒い雲を背負ってる。
そんな風に見える。
いつも馬鹿みたいな話してケラケラ笑ってるのに、
ほんまに・・どないしたん？
俺らには似合わな過ぎる沈黙が、
二人の間を浮遊していた。
途方に暮れるって意味が、初めてわかった気がする。
顔を上げない流星を抱きしめたくて立ち上がる。
そっと座る流星の横に立つと、不安げに顔を上げた。
「ちょっとだけ、抱きしめさせて」
ソファの肘掛けに膝をつき、流星の肩を抱く。
頑なな流星の身体。
一人で抱えてることのひとかけらでもええから。
俺にも一緒に、抱えさせてや。
大丈夫。
俺が守るから。
流星が言おうと思ってくれるまで、
ずっと抱きしめるから。
それから、何分が過ぎたんやろ。
すぅ、と流星の寝息。
多分最近眠れてないんやと思う。
今だけでも静かに眠らせてあげたい。
そう思いながら、ぎゅっと背中を抱きしめた。
ーーーーー
「ん・・」
目を開けると、望の頭が肩に乗っていた。
ありがとうの気持ちと一緒に、
辛さも全部、吐き出せたらええのに。
(つづく)
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しろくま ．○(プロフ) - 大福もちこさん» 返事遅くなっちゃってすみません！ありがとうございます！！楽しみです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年8月23日 2時) (
レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - しろくま ．○さん» しろくまさん、リクエストありがとうございます＾＾遅くなりましたが承りました！がんばりますね〜♪ (2016年7月28日 0時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま ．○(プロフ) - 小説面白いです！いきなりですけどリクエストいいですか？のんちゃんが女体化してしげりゅせに取り合いされてるのを見てみたいです！これからも更新がんばってください！ (2016年7月13日 11時) (レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 赤兎さん» いえいえーどうもありがとうございます＾＾リクエストうれしいです。重岡さん総受ですか。む、難しいけどがんばってみまーす！！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 森村里桜さん» わぁ〜本当ですかっ嬉しいです！感想頂けるのすごくうれしい＾▽＾かなりゆっくり更新ですが、これからも楽しんで貰えるようにがんばります♪ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大福もちこ | 作成日時：2015年12月14日 0時
