toritoma(2) ページ20
「へっ、平気やって！」
その手から逃れようと後ずさると、
「ちょっ、動くなっ！わわっ！」
ソファに片膝をついていた小瀧がバランスを崩し、
俺の両脇に手をついた。
「いでっ！」
おでこに衝撃を感じて目を開けられずにいる俺の上で
小瀧も同じ衝撃を受けていたらしい。
「くぅ〜っっっ」
ようやく目を開けると、小瀧がおでこを抑えてうずくまっていた。
「へ、へーき？」
「平気やないぃ・・」
顔を上げた小瀧の目は涙目になっていて、
「痛かったなぁシゲ〜ごめんなぁ」
自分のおでこを擦りながら、俺のおでこに手を伸ばす。
小瀧のあたたかな手は一瞬で
俺の痛みをどこかへ押しやって。
その代わりに。
向けられた優しさが俺を切なくさせる。
「シゲやっぱ痛いん？医務室行く？」
痛いのはおでこちゃうねん。
止まらない涙が小瀧を困らせて、
仕事にならないほどに俺は泣き続けて。
今日はもう良いから帰れと言われた俺は。
心配した小瀧に送られて家に帰る。
「迷惑かけて、ほんまにごめん・・」
玄関まで来てくれた小瀧に合わす顔がなくて俯いたまま言うと、
「俺、泊まってく」
そう言って玄関の鍵をかけて靴を脱ぎ始める。
ブーツの紐をほどくのに見惚れかけて俺は、はっとする。
「あかんてっ！帰って！平気やって！」
「なんで？」
「なんでて俺、熱ないし、どこも痛いとこも、」
「ほんならなんで泣いたん？
なんかあったんやろ？」
紐にかけた手を止めて身体を起こした小瀧は
背だって俺よりずっと高くて。
そうじゃなくても、よっぽど大人で。
その目に見つめられると、何も言えなくなる。
「・・うち、今日誰もおらへんねん。
一人やと寂しいから・・泊めて？」
沈黙を破るように言った小瀧の言葉に、
俺は頷くしか、できなかった。
ーーーーーー
「・・っ・・」
微かな音に目を覚ます。
月明かりがうっすらと照らすシゲの寝室。
俺は床に敷いてもらった布団に寝ていた。
隣のベッドで眠るシゲが身体を起こしているのか
視界の隅にぼんやりと影が見えて起き上がると、焦ったように影が倒れる。
「シゲ？」
目を凝らすと、静かに俺に背を向けたシゲ。
「つらいん？」
しばらく返事を待ってみても、微動だにしない。
まるで息さえしていないかのように。
本気で心配になってベッドに上がる。
布団の上から肩の辺りを撫でると、
身をよじったシゲの目が、俺を捉えた。
(つづく)
toritoma(3)→←toritoma(1)・・・小瀧×重岡
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しろくま ．○(プロフ) - 大福もちこさん» 返事遅くなっちゃってすみません！ありがとうございます！！楽しみです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年8月23日 2時) (
レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - しろくま ．○さん» しろくまさん、リクエストありがとうございます＾＾遅くなりましたが承りました！がんばりますね〜♪ (2016年7月28日 0時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま ．○(プロフ) - 小説面白いです！いきなりですけどリクエストいいですか？のんちゃんが女体化してしげりゅせに取り合いされてるのを見てみたいです！これからも更新がんばってください！ (2016年7月13日 11時) (レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 赤兎さん» いえいえーどうもありがとうございます＾＾リクエストうれしいです。重岡さん総受ですか。む、難しいけどがんばってみまーす！！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 森村里桜さん» わぁ〜本当ですかっ嬉しいです！感想頂けるのすごくうれしい＾▽＾かなりゆっくり更新ですが、これからも楽しんで貰えるようにがんばります♪ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大福もちこ | 作成日時：2015年12月14日 0時
