クリスマスの後で(2) ページ11
「がるるるるっ」
流星を睨みつけながら吠えた照史くんが、俺の手を引く。
「行くで小瀧！」
「えっ、何？！どこ行くん！」
「ほら、乗り！」
あっという間に駐車場に着くと、停めてあった自転車に飛び乗る。
「ええっ？自転車ぁ？」
「しゃーないやろ、車ないんやから！ほい乗った乗った！」
仕方なく普通のママチャリの荷台に座る。
「ほな行くで。腰に手ぇ回せ！」
そう言って俺の手をとる照史くん。
ぎゅっと抱きつくと、あっそや、と構えていたハンドルを離してカバンを漁る。
「何？」
「これかぶっとき」
そう言って頭に乗せてくれたニット帽は、ふんわり照史くんの匂いがした。
「ふふ、ええ匂いやな」
「ええ匂い？」
「うん、照史くんの匂いすんで？」
「俺の匂い、お前知ってるん？」
「ん、知ってる」
どうしてか、説明するのも面倒で、照史くんの背中にもたれかかる。
「こっ、小瀧？」
「んー？」
「なっ、何してるん？」
「何って、外寒いやろ？やから照史にくっついとく！」
勝手に呼び捨てにしたのを咎めることもなく
自転車が動き出す。
「離れたらあかんで」
「りょーかーい」
俺の手をポンと叩くとグングンと自転車をこぐ。
坂を上って地上に出ると、冷たい北風が吹き付けて。
後ろの俺でも寒いから、照史くんはもっと寒いはず。
「照史ぉ、へーきー？」
声を張り上げると、
「んぁ〜何が〜？」
「寒いやろ？」
「寒いことないで」
「嘘やん」
「ほんまやて。小瀧がくっついてるから全然寒くあらへんねん」
振り向いてニヤッと笑う照史くんに、不覚にもドキドキしたのは黙っておこう。
「さ、着いたで」
どのくらい走っていたのか、照史くんの顔は真っ赤になっていて、
本人の意思だとは言え申し訳なくなってくる。
「ちょっとお茶でも飲んでひと休みせえへん？俺奢るから」
「えっ、小瀧奢ってくれんの！？」
大袈裟に驚いてみせる。
嬉しそうに微笑む照史くんがちょっとだけ可愛く見える。
ほらあのカフェ入ろうやと手を引くと、
「うわ、望くん男前っ」
と手をギュッと握りかえされる。
「はいはい、何飲みますか？」
「俺カフェオレ！」
「カフェオレな。席とっといて」
そう言うと照史くんは俺の手を離して店の奥に入っていった。
二人分の飲み物を持って照史くんを探す。
「おっ、のんちゃん！こっちこっち！」
「えっ！」
笑顔で手を振るのは、淳太だった。
(つづく)
クリスマスの後で(3)→←クリスマスの後で(1)・・・ALL×小瀧
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しろくま ．○(プロフ) - 大福もちこさん» 返事遅くなっちゃってすみません！ありがとうございます！！楽しみです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年8月23日 2時) (
レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - しろくま ．○さん» しろくまさん、リクエストありがとうございます＾＾遅くなりましたが承りました！がんばりますね〜♪ (2016年7月28日 0時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま ．○(プロフ) - 小説面白いです！いきなりですけどリクエストいいですか？のんちゃんが女体化してしげりゅせに取り合いされてるのを見てみたいです！これからも更新がんばってください！ (2016年7月13日 11時) (レス) id: 984ff39804 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 赤兎さん» いえいえーどうもありがとうございます＾＾リクエストうれしいです。重岡さん総受ですか。む、難しいけどがんばってみまーす！！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 森村里桜さん» わぁ〜本当ですかっ嬉しいです！感想頂けるのすごくうれしい＾▽＾かなりゆっくり更新ですが、これからも楽しんで貰えるようにがんばります♪ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 2b183af5c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大福もちこ | 作成日時：2015年12月14日 0時
