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｢しっつれいなヤツね、誰が雑草よ｣
エアコンの故障した図書室、態々蒸し暑い場所に来る馬鹿な生徒など俺たち以外に居る訳も無く、極限まで顔を顰める彼女を見て声を上げて笑う。
カッターシャツの釦を二つ目まで開けて舌打ちをするその姿は、お世辞にも周りが言う｢高嶺の花｣とは思えない。
だから俺は本心をそのまま友人に伝えただけだと言うのに、彼女は｢イメージが崩れるだろうが馬鹿野郎｣と俺の足を思い切り踏むのだ。
｢本当の事を言ったまでだ。お前を熟語で例えるとしたら雑草やしな。動物ならゴリラ｣
｢ゴリラも雑草も余計よ！マジではっ倒すぞこの戦争おじさん｣
｢どうどう落ち着け。雑草如きが人間様に楯突くもんじゃない｣
｢いちいち腹立つなお前、その高そうな眼鏡捌いて刺身にしてやろうか｣
｢それは困るな。最近予備を無くしたばかりなんだ、勘弁してくれ｣
わざとらしく両手を上げて眉を下げてみれば、先程よりも一層眉間のシワを濃くするソイツ。出会った頃はもう少しお淑やかな女性だったのだが、高二の春ぐらいからだろうか、別人格が現れたのかと疑うくらいに彼女は変わった。良い意味でも悪い意味でも。
彼女を高嶺の花として見れなくなったと同時に、初めて彼女に対して興味が湧いたのもその時だった。
｢はあ、ほんとなんであんたなんかと絡んでるんだろう｣
｢お前は男の見る目があるようだな｣
｢謎の上から目線クソ腹立つ｣
疲れた様な、でも何処か愉しそうに息を吐く彼女を見て、何故か不思議と口角は上がる。
飽きないとはこういうやつの事を言うんだと改めて実感したものの、コイツが横暴で図太いのに変わりはない。やはりゴリラはゴリラで雑草は雑草なのだ。
早く飽きない人間へと進化して欲しいものだが……
｢単純にお前は俺の事がちょー大好きだからだろ｣
｢は、ほんとに君最近殴らせにきてるよね？ドM？｣
｢生憎俺にそんな趣味はない。んじゃ、俺そろそろかえりゅ〜｣
｢え、ちょ、ま、置いてくなバカ！本なおすから待って！｣
まあ、ちょっと揶揄うだけで照れてしまうような可愛いゴリラも悪くは無い。
……高嶺の花子さんじゃ、面白くないし。
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維(プロフ) - ぴざるさん» コメントありがとうございます。思いつきで書いたこの作品に運命を感じていただけたのなら幸いです。これからも頑張っていきますので、結婚よろしくお願い致します。 (2021年3月23日 11時) (
レス) id: 09c2a0914d (このIDを非表示/違反報告)
ぴざる - うっっ（）え待ってドストライクです大好きです運命ですね結婚しまｓ((( (2021年3月23日 7時) (レス) id: 8f43ba0ff3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：維 | 作成日時：2021年3月21日 23時
