共鳴��（王賁） ページ39
王家には今まで一、二回訪れたことがあったけど隊の集まりだったっけ。
個人的にというと初めてのことで少し緊張してきてしまった。
何度来ても敷地の広さと建物の大きさに慣れることはない。
門に通され、出迎えてくれた使用人に用向きを告げていると、なんと賁様が迎えに来て下さった。
こうして次期当主自ら出迎えることはもちろん稀で驚く使用人、と私。
賁様は使用人に下がってもらい、二人きりになったところで少しお顔が柔らかくなった気がした。
きっとご自分では気付いてないかもしれないほどの小さな変化。
それだけで私も嬉しくなるなんて本当、単純。
『本日はお招きありがとうございます。』
「構わぬ、書庫は住まいの建物とは別の棟にある。」
『さすが総本家…棟、ですか…』
「こっちだ。」
ですよね〜少し話したり一緒に過ごすなんて甘いこと期待した私が馬鹿だった〜。
ダメダメ、変に期待しては。
今回の休暇は知識を身に付けるって決めたんだから。
私は頭を横に振り自分に言い聞かせて邪念を払う。
そのまま案内された書庫は重要な文献や著述された木簡があるのだとわかるほどの、厳重な造りの立派な建物だった。
恐る恐る賁様の後について中に入ると木簡の柵数に圧倒される。
「好きに使え。」
『すごい…これどれでも読んでいいのですか⁈』
元々何かを読んで調べたり、考察することが好きですぐ没頭してしまう私にとってここは天国みたいな場所だ。
医術だけではない、この国の政治や思想、歴史や法律までなんでも読んでしまいたい。
次から次に木簡を手に取っては、中身を見ていた私はすっかり賁様をなおざりにしてしまったみたい。
それは、後ろから逞しい腕が回されふわりと包み込むように抱きしめられた事によって気付く。
カランッ…と持っていた木簡が手からすり抜けて落ちる音が響いた。
私は突然のことに柵を落としてしまったのだ。
だってとてもそんな雰囲気ではなかったから。
柵が壊れなかったかな、なんてこんな時に余計なことが頭をよぎる。
すると、鼻でフッと笑われ少しからかうように耳元で囁かれた。
「お前はすぐ夢中になるな。」
『ご、ごめんなさい。私また…』
「別に悪いことだとは言っていない。勤勉なところは望ましいところだ、ただ…
こうして共に時を過ごしたいと思っていた。」
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ずーみん(プロフ) - 春雷さん» 素敵な感想を頂きましてとても嬉しいかぎりです。今書いているものが完成したらまた蒙恬に着手しようと思います！たくさん読んでくださってありがとうございました！ (2021年6月16日 20時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
春雷(プロフ) - ほんと良いです！切なくなったり、色々と思ってしまいました。どの作品も文章や表現が綺麗で、ファンになりました！これからも楽しみにしています！蒙恬のお話を特にお待ちしております (2021年6月16日 14時) (レス) id: 50c46308fb (このIDを非表示/違反報告)
とも - 毎日楽しみに読ませてもらってます！街で出会ってから一目惚れされて仲良くなって告白されるまでを書いていただきたいです！多いですが王賁と蒙恬と信と政をお願いします！！ (2020年11月27日 7時) (レス) id: 382e67ae5e (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 凛さん» 凛さん≫お待たせ致しました。ページが一杯になってしまったので、短編集続編の方に載せました。少々サッパリした展開で上手く書けたか分かりかねますが、書いてて楽しかったです、リクエストありがとうございました！ (2020年11月27日 1時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 有難うございます！楽しみにしています！ (2020年11月23日 18時) (レス) id: 61c2aa8520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年9月6日 2時
