共鳴�◆焚�賁） ページ38
咸陽に戻った隊員たちは、城内に入って解散となった。
皆の嬉しそうな顔を横目に私も張り詰めていた気を解く。
両親が待つ屋敷に戻ろう、そう思っていた時。
沿道からきゃーきゃーと女の子の騒ぐ声がする。
思い当たる節は一つ。
家柄良し、顔良し、頭も良し、おまけに高身長で槍術の腕も一流。
二千人将となって初めての帰還に、女の子達が騒ぎ立てるのも頷ける。
当のご本人は、、うわ…すごい不機嫌そう。
先頭にいたであろう賁様が引き返しに来たのは私を捜していたからだったみたい。
普段ならとても光栄なことで素直に喜んでしまうのだけど、今は女の子達の視線が痛い。
妬みという威圧をぶつける側と、それを受け取る側の私。
そんな両側の複雑な乙女心は知らんと言った顔で何事もなく話しかけて下さる賁様。
「この休暇、何か予定はあるか。」
『…！はい、医術向上の為にもっと知識を身につけたいと思っています。
国内外の医療の歴史や食事療法の観点からも。』
「そうか…ならば王家の書庫に来い。歴史や東洋、西洋の医術から家庭医学まで大方揃っている。」
『いいのですか⁈』
「時は有限だ。明日からでも構わぬ。」
賁様はそれだけ告げて再び引き返して行った。
久しぶりにお会いした感じが否めないけど、気取られぬように普通に対応出来たかな。
それに賁様を目の前にしたら一緒にいたいなんて言いづらかった…周りの目もあるし。
けどこれは願ってもないことだ。
まさか明日から王家にお邪魔する事由が出来るなんて。
嬉しくてつい口元が緩んでしまう。
何を着て行こうかなんて戦場では考えないことが思い浮かぶが、あくまで名目は勉学の為。
私は気を引き締める意味でも両頬をパンパンっと叩いてそそくさと帰路についた。
賁様と話していたこの場にあまり長く留まっていると、何かとめんどくさそう。
あの子は誰？なんて声が聞こえてきたからだ。
次の日、少しは女性らしくなおかつ落ち着いて見えるような雰囲気の深衣に身を包み、大切な櫛で髪をとかした。
失礼のない程度に薄化粧をし、最後にもう一度全体の身だしなみを確認して王家に向かう。
いつもと違う雰囲気に何か思うことはあるか聞いてみたいところだけど、口数の少ない賁様は固まってしまいそう。
お世辞を言うような方ではないし…。
口が裂けても言えないけど、お可愛らしいところもあるのだ。
屋敷へ向かいながらそんなお姿を想像すると早くお会いしたい気持ちが先行した。
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ずーみん(プロフ) - 春雷さん» 素敵な感想を頂きましてとても嬉しいかぎりです。今書いているものが完成したらまた蒙恬に着手しようと思います！たくさん読んでくださってありがとうございました！ (2021年6月16日 20時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
春雷(プロフ) - ほんと良いです！切なくなったり、色々と思ってしまいました。どの作品も文章や表現が綺麗で、ファンになりました！これからも楽しみにしています！蒙恬のお話を特にお待ちしております (2021年6月16日 14時) (レス) id: 50c46308fb (このIDを非表示/違反報告)
とも - 毎日楽しみに読ませてもらってます！街で出会ってから一目惚れされて仲良くなって告白されるまでを書いていただきたいです！多いですが王賁と蒙恬と信と政をお願いします！！ (2020年11月27日 7時) (レス) id: 382e67ae5e (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 凛さん» 凛さん≫お待たせ致しました。ページが一杯になってしまったので、短編集続編の方に載せました。少々サッパリした展開で上手く書けたか分かりかねますが、書いてて楽しかったです、リクエストありがとうございました！ (2020年11月27日 1時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 有難うございます！楽しみにしています！ (2020年11月23日 18時) (レス) id: 61c2aa8520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年9月6日 2時
