揉め事（王賁） ページ23
「隊長が来るまでもうしばらくの辛抱です！」
隊長の王賁が来るまでは意図して膠着させたままの戦況。
気が短いと噂される敵の大将をおびき寄せるための作戦だ。
王賁の読み通りにいけばそろそろ痺れを切らし前進してくるだろう。
ただ敵もノコノコと出てくるわけではない。
腕に自信があるからだ。
来た。あれが敵大将か…将を守る精鋭部隊の厚い包囲網。
一人でも多く減らしておきたい。
『あの精鋭部隊を撹乱する。』
「えっちょっと！」
隊の一人がAの度肝を抜く発言に躊躇いながらも、その背を追いかけざるを得なくなった。
「クソ…！副長に続け！」
「いつも命令違反しやがる！」
付近にいた隊員も続くように敵の精鋭部隊を目指し始める。
包囲網へ突っ込み、撹乱させてから四半時ほどが経った時。
ただならぬ殺気を感じたAは背中がヒヤリとした。
すぐさま振り向いた時には敵の頭の上にあった矛がAに振り下ろされる瞬間であった。
ーーー
「お前は何度言ったらわかるのだ。」
今、私は王賁の天幕でこっ酷く叱られている。
しかも彼の寝台を占領して。
その証拠にほら、眉間のシワがいつもよりかなり深い。
あの後、敵の将の一撃を寸前で受け止めたものの、その衝撃で落馬をし気絶してしまった。
その時に出来たものだろうか。
左腕や脚に記憶のない傷があり包帯が巻かれている。
ただ利き腕は問題なく動くみたいで良かった。
「お前が勝手に突っ込んだせいでこちらの作戦が台無しだ。」
一点突破を目指していた王賁らが敵大将を目で捕らえた時、すでに乱戦となっていた。
その為、急遽右から回り込み挟撃したのだという。
『でも結局は王賁が首級を挙げたんでしょ？良かったじゃない。』
「そういう問題ではない。」
『分かってますー王賁だったらあの乱戦の中、混乱に乗じて大将を討ってくれると思ったんですー。』
「それでお前はこの有り様か。」
両者一歩も譲らぬ言い合いがくすぶり続けている。
寝台に座っていて距離は近いものの、両腕を組み、脚も組み、背を向けて話す時の王賁はかなり怒っている時だ。
「とにかく、お前はしばらく最前線に出るな。せいぜい後方支援だ。いいな、これは隊長命令だ。」
『なっ…ちょっと…お、王賁の馬鹿ー！』
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ずーみん(プロフ) - 春雷さん» 素敵な感想を頂きましてとても嬉しいかぎりです。今書いているものが完成したらまた蒙恬に着手しようと思います！たくさん読んでくださってありがとうございました！ (2021年6月16日 20時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
春雷(プロフ) - ほんと良いです！切なくなったり、色々と思ってしまいました。どの作品も文章や表現が綺麗で、ファンになりました！これからも楽しみにしています！蒙恬のお話を特にお待ちしております (2021年6月16日 14時) (レス) id: 50c46308fb (このIDを非表示/違反報告)
とも - 毎日楽しみに読ませてもらってます！街で出会ってから一目惚れされて仲良くなって告白されるまでを書いていただきたいです！多いですが王賁と蒙恬と信と政をお願いします！！ (2020年11月27日 7時) (レス) id: 382e67ae5e (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 凛さん» 凛さん≫お待たせ致しました。ページが一杯になってしまったので、短編集続編の方に載せました。少々サッパリした展開で上手く書けたか分かりかねますが、書いてて楽しかったです、リクエストありがとうございました！ (2020年11月27日 1時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 有難うございます！楽しみにしています！ (2020年11月23日 18時) (レス) id: 61c2aa8520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年9月6日 2時
