束の間の休息（蒙恬） ページ19
Aには優越感に浸る時がある。
例えば微子城にて、きらびやかな格好をした女性方に蒙恬が手を振る時。
いわばキャンキャンした声を出された彼の横にいる時だ。
誰よあの子、なんて声も聞こえるが素知らぬ顔。
常に近くにいるのはAのほうで、楽華隊の武官として共に死線をくぐり背を守ってきた自負がある。
逆に劣等感に苛まれることだってある。
蒙恬が女性と二人きりで一日中遊び回りいちいちその報告を受ける時。
蒙恬が遊ぶ相手は大抵、見目麗しく所作も仕草も美しい人ばかり。
だからこそ、男女としての釣り合いが取れていると思い知らされる。
そう、言わばお似合いってやつだ。
そしてそんな話を聞いた次の日に魏国の残党兵と遭遇した時には怒りをぶつけ、アイツ荒ぶってるななんて陸仙に言われる始末。
そんな荒んだ気持ちを鎮められるのはいつも決まった人物だ。
「ねぇ、ちょっと反物屋に付き合ってよ。」
『また新調するのですか⁈』
「いいじゃないかAが選んでくれる柄は評判がいいんだよ。」
こんな時は少し意地悪したくなる。
いつもヤキモキさせられている仕返しに。
相変わらずひねくれ者だと自分でも思う。
『今は忙しいんですけど。』
「剣の手入れなんてあとでも出来るじゃん。ほらほら行くよ。」
さっと手首を掴まれ半ば強引に連れて行かれる。
蒙恬には分かっているのだ。
ぶつくさ文句を発しながらもAは付き合ってくれることを。
「ねえ、どっちがいいと思う？」
『右の…深紅色の方です。』
「じゃあこれとこれでは？」
『蝶の刺繍があしらっている方です。』
「女性っぽいよね。」
『今更ですよ。お顔立ちも中性的ですし、大胆な蝶なので蒙恬様でもお似合いです。』
戦で敵に小娘だの女野郎だの言われているが、似合うものは似合うのだ。
これは決して嘘ではない。
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ずーみん(プロフ) - 春雷さん» 素敵な感想を頂きましてとても嬉しいかぎりです。今書いているものが完成したらまた蒙恬に着手しようと思います！たくさん読んでくださってありがとうございました！ (2021年6月16日 20時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
春雷(プロフ) - ほんと良いです！切なくなったり、色々と思ってしまいました。どの作品も文章や表現が綺麗で、ファンになりました！これからも楽しみにしています！蒙恬のお話を特にお待ちしております (2021年6月16日 14時) (レス) id: 50c46308fb (このIDを非表示/違反報告)
とも - 毎日楽しみに読ませてもらってます！街で出会ってから一目惚れされて仲良くなって告白されるまでを書いていただきたいです！多いですが王賁と蒙恬と信と政をお願いします！！ (2020年11月27日 7時) (レス) id: 382e67ae5e (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 凛さん» 凛さん≫お待たせ致しました。ページが一杯になってしまったので、短編集続編の方に載せました。少々サッパリした展開で上手く書けたか分かりかねますが、書いてて楽しかったです、リクエストありがとうございました！ (2020年11月27日 1時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 有難うございます！楽しみにしています！ (2020年11月23日 18時) (レス) id: 61c2aa8520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年9月6日 2時
