束の間の休息（王賁） ページ17
※初々しい二人の主人公
山陽での戦いが終わり、玉鳳隊は咸陽に戻らず守備に当たれとの命が下った。
その後も王賁の効率的かつ確実な指示で、すでにひとつ目の上圭を早々に平定させる。
次の持ち場へ行く前にAは不足しがちな医療物資を近くの街で調達するため確認を急いでいた。
『紫草はこの辺りで豊富に採れるから助かったけど…他のものは手分けして買ってこなくちゃなぁ。』
物資の不足はそのまま激戦だったことを物語る。
「街へ出るのか。俺も用向きがある。」
『賁様？』
つい先程まで隊の者と作戦について話し合っていた王賁はAを見つけ後ろから声をかけた。
しかもAにとってこれは夢だろうか。
物資の調達という名目があるとはいえ、一緒に街へ出られるなんて。
―――
『賁様が抜けていいのですか？』
「番陽らに全て任せた。俺がいなくとも遂行する。…後ろに乗れ。」
「はい、失礼します。」
早く乗れと言わんばかりに手を差し出され、ふわっと引き上げられ馬にまたがった。
鍛え上げられた王賁の腰に回す手が照れる。
それに今は甲胄もつけておらず、背中の温もりが伝わりそれが心地よい。
しばらく戦続きだった為、Aはこの穏やかな時間が非常に嬉しく感じられた。
街に着くと周辺で採取できない必要なものを薬房であらかた探し始める。
ずらりと並ぶ薬草にAは目を輝かせた。
『ガマとジオウと、あっダイオウもある。ありがたいなぁ〜。』
すると横から鼻でフッと笑う声が聞こえた。
『っ！いかがしましたか？』
「いや悪く思うな、上機嫌そうだと思ってな。…俺は外で待っている。存分に物色しておけ。」
やってしまった…。
目の前の貴重な薬草に、つい夢中になってしまって賁様に気を遣わせてしまった。
薬房から出て行くその背を見て、急ぎ選りすぐることにした。
両腕を組み、薬房の壁に寄りかかっていると大きな包みを持ったAが晴れやかな顔をして出てきた。
王賁の目からも見て満足のいく仕入れが出来たと見える。
『お気遣いありがとうございます。お待たせしました。』
「貸せ。」
『え、隊長に荷を持たせるなんて出来ません。』
「その隊長がよいと言っている。」
ひょいと取り上げられた荷は、王賁の腕の中に落ち着き行くぞ、と歩みを進めその半歩後ろを歩いた。
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ずーみん(プロフ) - 春雷さん» 素敵な感想を頂きましてとても嬉しいかぎりです。今書いているものが完成したらまた蒙恬に着手しようと思います！たくさん読んでくださってありがとうございました！ (2021年6月16日 20時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
春雷(プロフ) - ほんと良いです！切なくなったり、色々と思ってしまいました。どの作品も文章や表現が綺麗で、ファンになりました！これからも楽しみにしています！蒙恬のお話を特にお待ちしております (2021年6月16日 14時) (レス) id: 50c46308fb (このIDを非表示/違反報告)
とも - 毎日楽しみに読ませてもらってます！街で出会ってから一目惚れされて仲良くなって告白されるまでを書いていただきたいです！多いですが王賁と蒙恬と信と政をお願いします！！ (2020年11月27日 7時) (レス) id: 382e67ae5e (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 凛さん» 凛さん≫お待たせ致しました。ページが一杯になってしまったので、短編集続編の方に載せました。少々サッパリした展開で上手く書けたか分かりかねますが、書いてて楽しかったです、リクエストありがとうございました！ (2020年11月27日 1時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 有難うございます！楽しみにしています！ (2020年11月23日 18時) (レス) id: 61c2aa8520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年9月6日 2時
