二人の過ごし方�� ページ45
すると寝台に両腕を組みながら横たわり目を瞑っている。
そっと近付いてその姿を覗き込んだ。
寝てる、のか？これは珍しい…。
確かに毎夜遅くまで出歩いていた気はするけど力の抜き方も上手いし、こんなこと滅多にない。
湯気のたったお茶はとりあえず置いといて。
ふいに悪戯心が湧き上がった。
最近寝顔も見てなかったなぁー。
その場にしゃがみ込みながら寝台に頬杖をついた。
流石に眠っている時は釣り上がった眉も普段より鋭さがない。
死んでも口に出さないけど、これは私だけが知る私の好きな顔。
指でそうっと鼻筋をたどり薄い唇をなぞった。
ニヤッと怪しく笑った時によく出る口元のシワも今は無い。
骨張った顎も先の方へ滑らせるとチクリと髭が刺激を与える。
そのまま喉に降りてきた時、
「…おい、いい度胸してんじゃねェか。」
少しかすれ気味の声がして、指先が触れている喉が動く。
瞳だけを動かしてこの人の薄く開いた目と視線がぶつかった。
『ごめん起こしちゃったね、疲れてたのに。』
体を気遣ったのは本当。
でも久しぶりに構って欲しかったのも本当。
すると上半身を起こし鬱陶しそうに首回りの黒い毛皮を外した。
「来いよここに。」
促すように手の甲でポンポンと叩く場所は先程頭を預けていた場所。
あぁ成る程ね、と思いながら這いずってそこに横座りをする。
するとドカッと当然のように膝元に寝転がり、私の手はこの人の長い髪をすいた。
一人の男の頭の重さと熱さを腿で受け止める。
すると再び目を閉じて一つ、大きく息を吸って吐いた。
「あー…たまんねェなァやっぱお前は。」
逆に寝づらいんじゃないかと思うけど、本人の顔を見たら満足そうだしそれを見て私も満足。
『貸しイチね。』
「ぁあ？またそれかよ。相変わらず我が儘な女だぜ。」
と文句を垂れながらも結局、いつも希望を通してくれる。
男女の関係になってから、天幕に他の女は連れ込むなって言ったらアッサリ了承。
私が一緒にいたい夜は必ず共に過ごしてくれたりする。
意外とけっこう大事にされてるかも。
だから私も少し素直になれる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ずーみん(プロフ) - いちご飴さん» 慶舎と白麗、大変遅くなりましてごめんなさい！しかも白麗に至っては激甘というわけでもなく…ちょっと心残りなのでリベンジします。リクエストありがとうございました (2021年8月6日 1時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» そ、そんなコメントしてるだけなのに私はお礼を言ってもらっていいんですかね(///ω///)♪ (2021年7月23日 10時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 天空うさぎさん» いつも読んでくださってありがとうございます！毎度励みになっていますー！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» 慶舎も読ませていただきました！漫画とは少し違った世界観が素敵な作品でした！もう大好k((殴 (2021年7月22日 12時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» ↑名前を変えました。元堕紀です。とても良かったです！やはりずーみん様の作品にははずれがないな……(≧▽≦) (2021年7月11日 11時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：プラリネ | 作成日時：2020年11月26日 23時
