あの日の陽光�� ページ43
山陽六日目。
『これからは私が左手になります。』
戦では代わりなんて務まらないけどせめてこういう時ぐらいは…。
出陣前の朝、鎧を身につける輪虎さんを手伝いながら本音が言葉として出てしまった。
「わは、それって…もしかして求婚？」
『…へ？い、いやいやいや違います違います！』
「酷いなぁ。そんな全力で否定しなくても。」
そっか…！言い方がマズかったな。
あれじゃあ求婚と思われても仕方ないし、あぁ恥ずかしくて顔も見られない。
一人であたふたとしているとふいに引き寄せられた。
目の前が輪虎さんでいっぱいになって匂いに包まれる。
珍しいな、出陣前だというのにとっても優しく甘い空気をまとっている。
鎧がヒンヤリとしているけど、私の顔が触れている輪虎さんの首筋や手から伝わる体温はとても温かい。
「今回の戦が終わったら…共にいよう。二人で一緒に年をとるんだ。」
『え…それって、、、』
「なんだか先を越された感じになってしまったけど…あぁ、分かりきってる返事はまた後で。」
腕を緩めて愛おしそうに私の頬をひと撫ですると二本の愛刀を手に取る。
すると再び万の兵を束ねる将軍の顔付きに戻った。
もう出陣の刻だ。
「じゃ、行ってくるよ。」
戦場に赴く前の、いつもと同じ言葉を残して輪虎さんは愛馬のもとへ向かった。
その後とうとう降り出した雨。
雨音の中、秦国本陣の付近から歓声がわずかに聞こえる。
しかし蒙驁がいるはずの丘からは狼煙も上がっておらず勝ち鬨では無いみたい。
私は一抹の不安を覚えながら報知を待った。
あの時はまさかこんな事になるなんて考えられなかったな。
まだ信じられない、ずっと夢をみているよう。
張っている気持ちを少しでも緩めればその場にうずくまって動けなくなる。
いつか心から笑える日が来るのだろうか。
一人で感じる楚の風は、今日も湿っぽくて生ぬるい。
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ずーみん(プロフ) - いちご飴さん» 慶舎と白麗、大変遅くなりましてごめんなさい！しかも白麗に至っては激甘というわけでもなく…ちょっと心残りなのでリベンジします。リクエストありがとうございました (2021年8月6日 1時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» そ、そんなコメントしてるだけなのに私はお礼を言ってもらっていいんですかね(///ω///)♪ (2021年7月23日 10時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 天空うさぎさん» いつも読んでくださってありがとうございます！毎度励みになっていますー！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» 慶舎も読ませていただきました！漫画とは少し違った世界観が素敵な作品でした！もう大好k((殴 (2021年7月22日 12時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» ↑名前を変えました。元堕紀です。とても良かったです！やはりずーみん様の作品にははずれがないな……(≧▽≦) (2021年7月11日 11時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年11月26日 23時
