内に秘めた嫉妬心�� ページ28
先生じゃない、Aだ。
寝冷えしないよう肩にかけられた衣は紫色で誰が見てもこれは先生が普段、服の上から羽織っているものだ。
Aはスヤスヤと規則正しい寝息を立てており無防備な、あどけない寝顔をしている。
…ちょっと待って。
先生がこの愛くるしい寝顔を見て、自ら着ている衣を脱ぎAの肩にかけたってことはだよ。
Aと先生との間には極めて優しい時が流れた瞬間があって、それを今こうして目の当たりにしている。
毎日顔を合わせていたら情が沸くのも自然なこと。
もしかしたらそれ以上の関係に発展する可能性だって無いとも言い切れない。
相手は先生といえど、男と女なのだから。
そしてA…これは下手したら先生の匂いや温もりに包まれて眠っているようなものだよ。
仕方がない、けどこういう役目は常に俺でありたかった。
この衣一枚で何というか…破壊力が抜群だな。
そう思ったら、Aが疲れているのを承知の上で起こしてしまいたくなった。
意地が悪いかな。
「A、こんなとこで寝たら風邪ひいちゃうよ。」
優しく肩をトントンと叩いても起きそうにない。
このまま寝かせてあげたいけどこれはちょっとな。
どうしたものか、考えていると先生が戻って来た。
「先生。ご無沙汰しております、父がいる前線の戦況を伝えにまいりました。詳しいことはこちらに。」
「来ていたのか、蒙恬。ご苦労だった。」
託された木簡の柵を先生に渡し、父がいる魏国との国境付近では依然として膠着状態が続き力を持て余していますよ、と付け加えた。
本当は早く突撃の命を出せと伝えておけ、と言われたけど、ここは流石に言葉を選んだ。
長い付き合いの先生ならその真意は分かっていそうだけど。
「時に…Aは眠り落ちてしまうほど疲労が溜まっていたのですか？」
「すまん、毎朝早くから手伝いに来てくれるのをいい事にこちらも雑務を頼んでしまっていた。仕事が早いものでな。
特に多忙を極めたここ二、三日は俺も気遣う余裕がなくAもそんな俺を見て無理をしたのかもしれん。」
Aのことだ、自分の許容量を超えてもなお先生の手助けをしたくて無理をしたのだろう。
最近も夕刻にAの屋敷を訪ねたら帰りも夜遅いと聞いていた。
そんな彼女の懸命なところも健気だなと思う反面、その相手である先生に対して俺は羨望心を持った。
毎日そんなに長い時間、俺だって過ごしていないよ。
内に秘めた嫉妬心��→←内に秘めた嫉妬心（蒙恬・リクエスト）
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ずーみん(プロフ) - いちご飴さん» 慶舎と白麗、大変遅くなりましてごめんなさい！しかも白麗に至っては激甘というわけでもなく…ちょっと心残りなのでリベンジします。リクエストありがとうございました (2021年8月6日 1時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» そ、そんなコメントしてるだけなのに私はお礼を言ってもらっていいんですかね(///ω///)♪ (2021年7月23日 10時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 天空うさぎさん» いつも読んでくださってありがとうございます！毎度励みになっていますー！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» 慶舎も読ませていただきました！漫画とは少し違った世界観が素敵な作品でした！もう大好k((殴 (2021年7月22日 12時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» ↑名前を変えました。元堕紀です。とても良かったです！やはりずーみん様の作品にははずれがないな……(≧▽≦) (2021年7月11日 11時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年11月26日 23時
