俺は今でも�� ページ24
「それで死傷者は？」
「賁様不在時は重傷二十数名、死者は幸いおりません。」
「上出来だ。」
「今はAが必死に治療しておりますな。」
その名を聞いて俺は反応せざるを得なかった。
Aとの関係性を知っている番陽故、気を利かせて様子を知らせたのだろう。
「Aの必要事が全て終わり次第、ここに来るように伝えてくれ。」
全ての報告が終わった番陽は天幕を後にし救護所へ向かったようだ。
待つ間、俺は寝台に背を預け目を瞑る。
一人こうして視界を遮断させれば昨日の顔合わせの光景とAの顔が交互に思い出された。
なんと切り出そうか、事実は一つ故迷うこともない。
ただ二人の関係を終わらせる為に待つのはここまで重苦しいものなのか。
いや、俺よりも今からその現実を知るAの方が辛いこととなるだろう。
静かな天幕では何度目かわからぬ小さなため息がこぼれた。
昨夜はろくに寝られなかった故、いつの間にか俺は眠りについてしまっていた。
どれほど眠ったのだろう。
Aは、、とふと思い出しながら勢いよく上体を起こすと床に座りながら寝台に頭を預けてウトウトと眠っていた。
しかし俺が起きた反動で目をゆっくり開ける。
『賁様、お体は大丈夫ですか？咸陽への往復、お疲れ様です。』
「Aこそ疲れていたのなら俺の横で眠ればいいものを。」
俺の言葉に少々困ったように眉尻を下げる。
コイツはいつでもそうだ。
例え自分が疲れていても、他者をまず気遣い労う。
今でも俺を起こさぬよう待っていたのであろう。
俺が疲労を感じた時はいつも知らぬうちに甘えていた。
しかしそれももう許されぬことだ。
『賁様、何か御用があったのでは…？』
「……あぁ。」
俺は改まり寝台に腰を掛けるとAも同じように隣に座った。
二人の間は肩が触れそうで触れない距離にいる。
面と向かって話しづらかった故、これで良いのかもしれぬ。
俺がまとう重い空気を察したのか、Aの顔も強張っていた。
「咸陽に呼ばれたのは…父が既に決めし縁組みの話だった。時期はまだ未定だが、先日屋敷にて顔を合わせた者とゆくゆくは婚姻を結ぶ運びとなる…」
Aは顔も体もこちらを向けて静かに話を聞いていた。
しかし俺は真正面を向いたまま、どうしてもAの顔は見られぬ。
よって今はどのような表情をしているのか分からなかった。
二人の沈黙がやたら長く感じるものだ。
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ずーみん(プロフ) - いちご飴さん» 慶舎と白麗、大変遅くなりましてごめんなさい！しかも白麗に至っては激甘というわけでもなく…ちょっと心残りなのでリベンジします。リクエストありがとうございました (2021年8月6日 1時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» そ、そんなコメントしてるだけなのに私はお礼を言ってもらっていいんですかね(///ω///)♪ (2021年7月23日 10時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 天空うさぎさん» いつも読んでくださってありがとうございます！毎度励みになっていますー！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» 慶舎も読ませていただきました！漫画とは少し違った世界観が素敵な作品でした！もう大好k((殴 (2021年7月22日 12時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» ↑名前を変えました。元堕紀です。とても良かったです！やはりずーみん様の作品にははずれがないな……(≧▽≦) (2021年7月11日 11時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年11月26日 23時
