信の一目惚れ�� ページ17
信の怒りを剥き出しにした空気が周囲の者の肌を刺す。
太い腕を掴み、ギリギリと信の指が食い込むと同時に男の顔が痛みで歪んでいった。
「…おいオッサンその手ェ放しな。」
「！何だ貴様が放し、やがれ…！」
すると男が怯んだ瞬間に、店主がスネを蹴り上げ何とかすり抜けることが出来た。
信の怒気を含んだ空気と只者ではない雰囲気に圧倒された男は舌打ちをしながらそそくさと逃げて行く。
それはなんとも情け無い後ろ姿だった。
「カカカッ！なかなかやるじゃねぇか！えーと、、、」
『Aよ。ありがとう、助けてくれて。』
中へどうぞ。
そう言いながら顔はわずかに微笑みながら信に向けた。
その顔を見て急に照れくさくなった信は視線を逸らしポリポリと頬をかく。
そんなAに案内され店内より奥、普段は住まいとして使用しているであろう部屋に通されお茶を淹れてくれた。
湯気が立ち、トクトクと茶杯に注ぐ音だけが部屋に響く。
しかしその手つきを見ていると掴まれた側の手が少し震えていた。
「大丈夫か？わりぃ、もうちょっと早く行ってれば良かったな。」
『君って人が良いのね。』
手を隠しながらどうぞ、とお茶を勧めるが信はちっとも飲まずにいる。
すると太い指を持ち、大きく武骨な信の手が震えているAの手を強く握った。
「こーしてっと、落ち着くだろ？」
『……。』
Aは力強く握られた手を見つめるが何も言わない。
だが振り払いもしない。
「あ、…そういやアイツ何だったんだ？」
『さっきの男？ここらでは借金を踏み倒すことで有名なの。うちへの支払いもまだ滞ってるのに、めぼしいモン見せろって。
でも信くんのおかげでもう来ないかもね。』
「またいつでも言えよ。前線に出てる時もあるけどよ。」
『ふふ…そういえば飛信、隊？の隊長さんだったわね。道理で強いわけだ。』
信は、おうよ！とニカっと笑って得意げに力こぶを作って見せる。
馬鹿ばっかな連中だけど良い奴らだと嬉しそうに語る信の目は、力強く真っ直ぐで眩しい。
ここのところ、こんなにキラキラした目を持つ人はいただろうか。
Aは気付けば不思議と落ち着きを取り戻し、今日ばかりは彼がいてくれて良かったと思った。
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ずーみん(プロフ) - いちご飴さん» 慶舎と白麗、大変遅くなりましてごめんなさい！しかも白麗に至っては激甘というわけでもなく…ちょっと心残りなのでリベンジします。リクエストありがとうございました (2021年8月6日 1時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» そ、そんなコメントしてるだけなのに私はお礼を言ってもらっていいんですかね(///ω///)♪ (2021年7月23日 10時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 天空うさぎさん» いつも読んでくださってありがとうございます！毎度励みになっていますー！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» 慶舎も読ませていただきました！漫画とは少し違った世界観が素敵な作品でした！もう大好k((殴 (2021年7月22日 12時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» ↑名前を変えました。元堕紀です。とても良かったです！やはりずーみん様の作品にははずれがないな……(≧▽≦) (2021年7月11日 11時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年11月26日 23時
