蒙恬の一目惚れ�� ページ14
俺は人を掻き分け駆け寄って行くと、思わずAの両脇に手を入れ高く抱き上げた。
「A、やったよ！！君の名が記載してあった！」
『も…蒙恬様っ恥ずかしいです！』
俺はそのまま降ろすと喜びに浸るように抱き寄せる。
周囲の目が気になっているAは俺の胸で隠してしまえばいい。
それにどーせ皆自分のことで精一杯だから目に入らないよ。
『わ、私も見てきます。』
腕の中でモゾモゾと顔を上げながら信じられないという顔で俺を覗いてきた。
もう少しこの余韻に浸っていたかったが、それもそうだよな。
先導して手を引き再び人だかりを掻き分けてAを高札の前に連れてきた。
周りの喧騒により、ほらここ勿論女性は一人だけだよ、と耳元で告げ共に刻まれた名を目にすることが出来た。
彼女は自分の名と俺の顔と交互に見ながら破顔し、喜びを共有し合う。
あーそんな嬉しそうな顔すると今すぐにでもまた抱きしめたい気分だ。
『今日は人生で最良の日となりました。』
「まだ終わりじゃない、来て。」
屋敷までの帰路では再び俺がAの手を引いた。
結果を見に先導した時とは違う、指を絡めた繋ぎ方に俺のこれからの決意を感じて欲しい。
なーんて勝手に淡い期待を込めて。
Aを部屋に通し、ちょっと座っててと促した。
きっと今の俺は企んだような面持ちをしてしまっている。
一体何事かと一挙一動を見つめるA。
絹の布を開き美しい琥珀が施された帯飾を出せば、ポカンとして目をパチパチさせた。
「おめでとう、今日は自分のことのように嬉しいよ。」
Aは急な贈り物に戸惑っていたが、俺は構うことなく彼女に帯飾をつけながら続けた。
「俺さ、実は初めて会った時にAの可愛らしさに惹かれた、夢中になった。
知れば知るほど君にのめり込んでいって、応援したい気持ちに反して…あの時口付けしようとしたのはごめん。勿論今でも気持ちは変わらないよ。」
『私はあの時、少し心残りでしたよ。』
「じゃあ…一年前の続き、しよーよ。」
いつでも奪える機会はあったが、今までよく我慢したなー俺。
縛られるものが無くなれば、弧を描いているAの唇に近付いて以前と同じように俺たちは吐息のかかる距離だ。
「覚えてる？ここからだよ、」
今度は何のしがらみも無く俺は優しく唇を押し付けた。
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ずーみん(プロフ) - いちご飴さん» 慶舎と白麗、大変遅くなりましてごめんなさい！しかも白麗に至っては激甘というわけでもなく…ちょっと心残りなのでリベンジします。リクエストありがとうございました (2021年8月6日 1時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» そ、そんなコメントしてるだけなのに私はお礼を言ってもらっていいんですかね(///ω///)♪ (2021年7月23日 10時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 天空うさぎさん» いつも読んでくださってありがとうございます！毎度励みになっていますー！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» 慶舎も読ませていただきました！漫画とは少し違った世界観が素敵な作品でした！もう大好k((殴 (2021年7月22日 12時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» ↑名前を変えました。元堕紀です。とても良かったです！やはりずーみん様の作品にははずれがないな……(≧▽≦) (2021年7月11日 11時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年11月26日 23時
