那貴�� ページ2
その夜。
難攻不落と思われた川の攻略を見事制し、主攻めとして第一功を上げた渕さんを中心に宴が始まった。
飛信隊らしいどんちゃん騒ぎが戻ってきて皆の酒も進む進む。
まだ二日目だから、と貂は少し諌めたけど功をあげた日のお酒と食事はいつもより美味しく感じられるものだ。
私は昨夜と同じように那貴さん達へ配膳をすることになった。
と言っても、自分から持って行くと決めたんだけど。
なんだかもう少し話をしてみたいとそう思って。
『お隣いいですか？』
「ん？構わないけど一緒に騒がなくていいの？」
『私は一歩引いた外から皆の嬉しそうな顔を見るのが好きなんです。』
「…へぇ、そういう見方ね。桓騎軍ではそんな奴いないけど言ってることはわかる気がする。」
それから私は、居心地の良いこの飛信隊の良さを少しでも伝えたくてけっこう長い時間一緒にいた。
那貴さんは嫌な顔一つせず耳を傾けてくれていて、相槌を打ったりそれは何で？とか聞き返してくれたのが嬉しくて、つい甘えて話し込んでしまった。
三日目。
取れば勝利につながるという中央丘のふもとにこれ以上ない好条件で布陣し、あとは桓騎将軍からの指示待ちだった。
…が、どれだけ待っても出陣の命は出ず日が暮れ、今日は剣を振るう機会がなかった。
貂は那貴さんにかなり強く詰め寄っているけど、いくら側近の一人とはいえ今日の桓騎将軍の考えは分からないみたい。
肩透かしを食らった皆の三日目は苦々しく渋い表情で終わった。
次の日。
三日目のツケが回り、馬呈軍が飛信隊の背を討って出てきたがいまだ桓騎将軍からの号令は無い。
かなり厳しい戦いの中、更に慶舎軍が割って入ってきて隊が分断されてしまう。
死者、負傷者共にどんどん膨れ上がり、情けないことに私も脚を負傷してしまった。
落馬をしうずくまって動けないでいると、敵か味方か分からぬ馬に踏まれそうになったところを助けてくれた人がいた。
『那貴さん…！』
ひょいっと片手で抱きかかえられ、乱戦の中をぬって一旦敵のいない所まで連れ出してくれた。
「ハハ…隊に加わっても端で静かにしてるって言っておきながら矛盾してるな。」
『ありがとうございます…』
「変に感化されるよ、この隊にいると。」
少し困ったように言いながらゆっくりと降ろしてくれた那貴さんは、意を決したように表情を厳しくした。
ちょっと行ってくるかな、と言い残し馬を走らせるその背を私は見送った。
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ずーみん(プロフ) - いちご飴さん» 慶舎と白麗、大変遅くなりましてごめんなさい！しかも白麗に至っては激甘というわけでもなく…ちょっと心残りなのでリベンジします。リクエストありがとうございました (2021年8月6日 1時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» そ、そんなコメントしてるだけなのに私はお礼を言ってもらっていいんですかね(///ω///)♪ (2021年7月23日 10時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 天空うさぎさん» いつも読んでくださってありがとうございます！毎度励みになっていますー！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» 慶舎も読ませていただきました！漫画とは少し違った世界観が素敵な作品でした！もう大好k((殴 (2021年7月22日 12時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» ↑名前を変えました。元堕紀です。とても良かったです！やはりずーみん様の作品にははずれがないな……(≧▽≦) (2021年7月11日 11時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年11月26日 23時
