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8 集会の後で ページ8

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JN「さあ、準備はできた?」



玄関ホールでジンオッパがシャツの襟を正しながら言う。


全員がこの宗教に伝わる正装というものに身を包んでホールに整列していた。




ブラウスにパンツスーツという見慣れたその服装も

幼い頃はなんだか着心地が悪くてあまり気分のよいものではなかった。


だけど今ではなんだかこの格好をしているみんなが一番しっくりくるような気さえする。


慣習とは、恐ろしく人間の意識に浸透していく。

特に幼い頃からの当たり前は、それ以外のものを異常なものにさえ見せてしまうほどだ。



NJ「ジョングク、ポケットのそれなんだ」

JK「え?ああ、これはただのゴミだよ。」


ナムジュンオッパがジョングクのズボンのポケットの

ほんの少しのふくらみを指摘する。


私はその瞬間背筋が凍った。

けれども、ジョングクはとても自然だ。


彼のポケットにはくしゃりと崩れた紙の切れ端。

あれは彼の陰謀の全ての発端。

確証はないけれど気づかれたら絶対にまずいもの。




NJ「ゴミはこれから捨ててから出てこい」

JK「ごめん、急いでたからさ」

JM「僕が捨てといてあげるよ、ジョングク」

JK「ほんとに?ありがとう。」



ジミンオッパの手が伸びる。

その手の平に躊躇なく手渡されようとするソレに私の視線は集中する。


JK「あーでも、俺の鼻水ダラりだけどね。」

JM「ええ…!汚い!なんでポケットにそんなもんつっこむんだよ!」

JK「だってまだ使えるんだもん。今日は朝から鼻水が時々出るからさ。

集会中に長いのが垂れたら大変でしょ」




その場のみんなが彼のだらし無さにため息をつく。

私も少し、他の人間とは違う意味ではあるものの、合わせてため息をついた。



JN「…とりあえずポケットに戻しとけ。人に渡すもんじゃない。」

JK「はーい」

HK「今度から持ってくるなら新しい紙にしろよ…」

YG「ったく、マンネは誰に似たかなあ」

TH「なんで俺のこと見るのさヒョン」

YG「べーつに」



オッパ達が半ば呆れ顔で、ゾロゾロと扉から出ていく。

その扉を開けて、それを最後まで見送った後で

ジョングクは私の方をニンマリとみて

気付かれないように「あっぶねー!」と口を動かした。




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9→←7



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ふうかい1210505956 - 今更ながら更新してほしいです (2022年2月4日 23時) (レス) @page35 id: b5861f5cf9 (このIDを非表示/違反報告)
れも - ホント今更なんですけどもう更新はないですかね… (2021年9月1日 21時) (レス) id: 44b2d7bf61 (このIDを非表示/違反報告)
annnnnnnna4(プロフ) - とても続きが気になります!更新頑張って下さい(^^) (2018年12月17日 1時) (レス) id: bb84cb866b (このIDを非表示/違反報告)
マリリン - こんな凄い話久しぶりに見ました!続きが早く読みたいです!いつ再開してくれますか? (2018年12月13日 16時) (レス) id: 211b9b7947 (このIDを非表示/違反報告)
ジェンナ(プロフ) - レモンさん» 今からは正直キツイですすみません! (2018年4月1日 23時) (レス) id: ccdc45a3c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ジェンナ | 作成日時:2016年11月14日 23時

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