純情Lips. (ページ5)

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「岸くんはさぁ好きな人とかいないの？」

最近のお昼休みは友達の優美加と隣の席の岸くんと過ごすことが多い。

岸くんは普段は岩橋くんとか勇太とかとじゃれてるけど、食事中には群れるタイプじゃないらしく、ひとりでお弁当を食べてるから、ノリでよく3人で話をする。

少し前まで授業中にわたしの前で必死にノートをとる頭が見えていた岸くんだけど、今度の席替えではそんな岸くんがわたしの隣の席になった。

岸くんはおもしろい人だから見ているだけで飽きないし、また席が近くなれたのは嬉しい。

「ずーーーっと片想いしてるやつがいるけど、そいつには彼氏がいるってゆーね」

そのままご飯をかきこんでひとりで頷いてる。

あーあーやっぱり、両想いで結ばれるのってカップルのうちの何組くらいなのだろう。

楽しくない恋愛をしている人の方が絶対に多いに決まってる。

少なくともわたしの周りの人はそうだ。
もちろん、わたしも含めて。

「ヘェ～岸くんって恋とかしてるように見えないよね」

優美加が言う。

ってそれ若干失礼、、、

「うるさ！おれだって色々経験してるし！たぶんお前らより恋愛経験豊富ですから！」

「いや～わからんよ～～Aもなかなかすごいよ！
ね？A」

「え！？わたし？いやいや、ちょ、優美加、いらないこと言わなくていいから」

「いや、それがさ、こいつ全然おれにそういう系の話教えてくんなくてさ」

なんなんだよ～教えろよ～って岸くんが割と大きな声で駄々をこね出す。

といっても、岸くんが声を張るなんて日常茶飯事だから誰も今更注目することはない。

「あっ！ぐうじさん！ちょうど良かった！桜田のさぁ好きなひとってだれ？」

「は！ちょっと岸くん、いいから、」

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「え、俺」

「••••••••は？」

「だから、俺だっつってんじゃん」

「え、ぐうじさ、、」

「Aの好きなやつ、俺だよ」

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•••••••••••••終わった。