純情Lips. (ページ1)

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高校生になって初めて気づいたことがある。

わたしの幼なじみはものすごくモテること。

どうして今まで気づかなかったんだろうって、わたしも少し前までは焦っていた。

ていうか、本当は、気づいていたのにそんなことわたしにはどうでもよかったのかも。

心のどこかで、勇太に特別だと思われていると勘違いしていたから。

だけどもう今はそんなことどうだっていい。

あいつは、勇太は、

もうわたしには関係がない。

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「おっはよーございまぁす」

「あ、おはよ、てか岸くん、昨日わたしの数学のノート持って帰ったでしょ？」

「あっそうそう返すの忘れてたんだよ～ごめん！ありがと！！」

岸くんはわたしの前の席。

今日の一発目の挨拶も天の声かよって感じ、、、
本人は意識してんのかね、、、それも分からん。

いっそ岸くんみたいに良い意味でなんにも考えていない人の方が良かったりして。

「てかお前、案外字綺麗なのな」

「えっ！わたし字汚いキャラなの？！」

「うん、なんとなく」

出た、、適当、、、

こんな人ならきっと楽にお付き合いできたりするんだろうなぁ。

まぁ向こうから願い下げだろうけどね。

優しいひとがいいとか、面白いひとがいいとか、理想ってものが誰にだって少しはあるけど結局は好きになったらそんなもの考えてる余裕なんかなくて。

そろそろこの気持ちはなくなっても良い頃合いなんじゃない？

「未練」というフタ文字がわたしに重くのしかかる。

「なぁ、髪切った？良いじゃん似合ってる。」

面倒なことを考えていたら勇太が女の子に声をかけている。知らないうちに勇太はわたしの知らない人に奪われている。

勇太の事を考えたらわたしが知らない人みたいに面倒くさくなるの、もうそろそろどうにかならないかなぁ。

心にこびりついた気持ちはそう簡単に消えないみたい。