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さて、一生懸命練習をして、チソンと同じ車に乗って、こっそりヌナの宿舎のインターホンを開けたはずだ。だけど出てきたのはジェノヒョンで、チソンがわお、と声を出した。
「デジャブ？」
『デジャブ？』
「ああ、チョンロたちだったの？」
『なにが？』
「Aが早く帰らないと！って」
俺はもう帰るよ〜と言ってたけど、一緒にリビングまで歩いて、キッチンにいるヌナに話しかけに行った。ヌナが僕たちに気付いて、おいでと言うからチソンの腕を引っ張って、ヌナにくっ付いた。
「おかえり、なんでも食べていいよ〜」
『アイスクリーム屋さんみたいだね』
「これが良い」
「ジェノは帰るんじゃないの？」
「チソンたちを連れて帰らないと」
『僕ら2人で帰れるよ』
むっとした顔がなんだか、チソンと同い年くらいに見えて思わず笑ったら、その顔のまま目が合った。チソンはいつの間にか、ヌナを連れてもうソファーに座っている。
『ヒョンはよくここにいるの？』
「最近はあんまり」
『そう？』
「来てもAいないし、いないとほら、やることなくて」
『さみしい？』
「うん？」
『ヌナには秘密にしてあげる』
ひとつ上のヒョンたちは、ヌナのことを、きっとヌナ自身より知っている。今日の練習は久しぶりにみんなが集まれたから、ヌナは4人に囲まれていた。ヌナとジェミニヒョンが話していたとき、自分は話に入っていないけど、ずっとヌナの後ろにいたのは、ジェノヒョンだった。
「……素直に言ったら笑われるから、絶対秘密ね」
『それ、ひとくち食べたいな』
「うん？」
「ジェノ、忘れ物って結局何だったの？」
「あ〜、なんだっけ？」
「また思い出したら来て良いよ」
「俺もアイス食べる」
「チソンとチョンロを呼んだんだけど…？」
「Aより数日遅く生まれたので、俺も弟になれます」
そう言ってチソンの反対側に座ったヒョンが、チョンロもおいでと振り向いた。チソンの顔はめちゃくちゃ呆れてたけど、数秒おいてヌナはけらけらと笑っている。ジェノは弟じゃないよ〜って、あまりにも僕たちに甘すぎるんじゃない？そういうところもきっと、ヒョンが好きなところなんだろうけど。
『僕も入れて！』
「わ、！」
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作者名：yom | 作成日時：2023年6月21日 18時
