lilac 2 (ページ24)

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○

「A？パクリラ？」

『そうそう、リラの方が分かりやすいね』

ソファーに寝転んで目を閉じたヤンヤンとは反対にドジュンがリラさん…と呟いて、クンに大丈夫？と聞かれている。緊張しているだけらしいけど。

「Aはすぐ練習室に籠っちゃうからね」

『今は卒業とか色々あるだろうから』

「卒業？まだ1年あるんじゃないの？」

『Aじゃなくてマークだよ』

ストレッチをしていたウィンウィンがこっちに来て、ヤンヤンの髪を撫でる。前に、Aに同じことをしていたのを思い出した。髪を撫でたらすぐに寝ちゃいそうになるって、猫みたいに目を細めるんだって。

「A、元気かな」

『連絡取ってないの？』

「大丈夫しか言われないから」

一緒に活動をしているとき、2人でいるのをよく見かけた。僕にとっては可愛い弟だけど、Aと一緒にいたウィンウィンは、まるで本当の兄妹のように、お兄さんの目をしていたから。テヨンイヒョンの暖かさとは違う、ウィンウィンなりの暖かさがあったから。

『ヤンヤンおいで』

「どこ行くの？」

『ちょっと付き合って』

確か今日は、会社にいると言っていた。ちゃんと会わせるのは次でも良いけど、リラじゃなくてAを見て欲しかった。泣いている時が綺麗じゃない訳ではないけど、笑っている方が、ずっとずっと綺麗だ。

『あ、いた』

「誰…リラ？」

しばらく見ていたらこっちに気付いて、少しずつ顔が緩んでいく。こっちにきてくれようとしていたけど、大丈夫と言うように手を振る。隣のヤンヤンが少しだけ口を開けたまま、ぽかんとした顔をしていたから。

『どう？あの子がA』

「…ジェミニが」

『ジェミン？あ、一緒に練習してたんだっけ』

「誰よりも大切なんだって言ってたけど、少し分かったかも」

僕らの見ているいつものAは、リラではあまりに見れない姿。完璧でありたいと願うから、見ることのない姿。昔ヘチャンがジャニヒョンにAのことを聞いていた時、気になってるの？と聞いてみたら、友達になったのと顔が綻んでいたのを覚えている。隣にいる僕の弟は、Aの友達になれるだろうか。

『きっとヤンヤンと合うだろうから、大丈夫だよ』

「…その自信どこから来るの？」

『Aもヤンヤンも、僕の大切な妹と弟ってこと』

くしゃくしゃと髪を撫でたら、威嚇している猫みたいな顔をした。なんだかその顔が、Aに似ていた。