�� ページ22
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『ドヨンイヒョンが言ってたやつちゃんとやった？』
「あ、喉のやつ？」
『そう、ちょっと苦いやつ』
「…やっぱり苦いですよね？」
『でもあれ効くでしょ、声出てたし』
「……見てくれてたんですか」
『もちろん。ドヨンイヒョンもね』
練習室の前、目を細めて見てみればドヨンイヒョンとテヨンイヒョンが、2人で話しながら立っていた。ドヨンイヒョンがこっちに気付いて、パタパタと走って来る。オッパ昨日は、とAが言い切る前に、ヒョンの両手がAの頬を包み込んだ。
「もう無茶しない。分かった？」
「うん、昨日はありがとうございました」
「ヒョンのところ行ってあげて」
「オッパ？」
「昨日会えなかったでしょ」
ヒョンがこっちに来る前に、Aが走って行く。いつか、「Aの近くにいてあげたい」と言っていたヒョンを思い出した。熱は？と聞かれて、首を横に振る。
「体はくらくらしない？喉は痛くない？」
「大丈夫、これは本当です」
「まだ声が少し掠れてるから、あんまり無理はしないで」
夜遅くまでスケジュールがあったテヨンイヒョンが、慌ててテレビを付けたこと。ドヨンイヒョンのように、ぎゅっと手を握りしめて、瞬きもしないで画面を見つめていたこと。Aが思っているよりも、何倍もAは愛されているということ。
「ご飯、後で食べようね」
「…オッパも一緒にいてくれる？」
「もちろん」
「本当？じゃあ、」
「ジャニとユタも呼ぼうか」
ジャニヒョンの後ろにくっ付いていたA。テヨンイヒョンに手を引かれて、ユタヒョンに背負われて眠っていたA。ドヨンイヒョンが伸ばした手を握った、小さくて細い指。そわそわしているヒョンを引っ張って、Aの肩を抱いた。
『俺たちも入れて』
「わ、ジェヒョナ」
『みんないたらもっと楽しいよ』
ふわふわした髪を撫でる。甘やかしたい訳じゃない。ただ、側にいたいと思っただけ。良い夢が見れるように、Aがよく眠れるように。
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作者名：yom | 作成日時：2023年6月21日 18時
